2013年5月31日金曜日

[4138] お燗番

昨日まで少々寒い雨だったのが打って変わって暑い夏のよう。
 個展初日はあまり来客はなかったが、個展を目当てにわざわざ奈良から『どぶ』と名のつく酒造りをしている野獣の杜氏さんと美女のお燗番さんがやってきた。この『お燗番(おかんばん)』というのは初めて聞く職種だ。あとで酒屋さんから聞いたけど、お酒のお燗をつける専門の人で、個展に来たこの方はその道では才能あふれる方らしい。日本のお酒を暖めるというやり方は、世界でも独特の様式らしく、そこでお燗番という繊細な職種が生まれたのだろうね。
 日本って素晴らしい文化を持っているなぁ、まったく素晴らしい。

2013年5月30日木曜日

[4137] 搬入展示

昨日今日と、最上徳内記念館での個展の搬入展示。
 ここでの個展は今回で三回目。前二回ともこの記念館始って以来の入場者数だったんだって。まあ、大成功を収めたもんで、ワシ、偉い! でも謙虚な性格だから皆さま方の感謝を忘れず始終低姿勢で汗かきながら働く。
 一階はガラスケースの中に作品が収まるので個展というより博物館的だ。二階は和風建築の間。これは作品と似合う。この和室ってのは縦横の線がいっぱいあって、大昔から日本建築は他所の国にないモダンをやっていたんだなぁと思った。でも人工的で美しいと言えば美しいがうざいと言えばうざい。

2013年5月29日水曜日

[4136] ガラス

 ガラス作家チリちゃんのガラス作品が気に入って、自分の作品に取り入れてみたいと思い、作業が始った。
 ガラスの作品の窯入れ。昨日の午後に窯に入れ、今日の夕方880度でいったん終わり、窯のフタを開けて急冷すること二時間。熱いわ。それから徐々に四日間かけて冷ます。全部で5日間窯に火をつけっ放し。窯開けは6/1。すごい作業だ。
 これって停電とかなったらもうアウトじゃん。危うい仕事だ。

2013年5月28日火曜日

[4135] 麹(こうじ)

写真は隣町の河北町にある麹屋さん。東京からやって来た旦那と地元の嫁の夫婦もんがやり始めた味噌屋だ。この間、知人がここの麹でできたイチゴ味の妙なものを土産に持ってきた。豆乳を加えて飲んだら、美味い! 何じゃこれ、スムージーのような、独特の味わい、初めて口にするものだ。よくまあこんなの考えだしたものだ。偉い! そこで他にどんなものがあるのか買いに。紫イモ、秘伝豆、プレーンがあった。季節によっていろいろ新しいものも出るらしい。おもしろいな〜

2013年5月27日月曜日

[4134] 初めに庭ありき

訪ねてきた爽やかな女性が玄関の鉢植えのフジを見て、きれいな形だと呟いた。
 今日は近所の和風カフェ『甘露』を設計した鯨井さんという建築家がみえた。けっこう好きな建築家だ。黒猫を代々飼っている猫好きだった。
 家の中をいろいろ案内して、久しぶりに家猫を設計するのにこだわった点を話した。ほぼ一般的な家作りは駐車場をまず確保し、そこから家の間取りを決める。僕の場合は、まずは池、それから庭、最後に家。家というものは雨風、吹雪を避ける立派な小屋のようなものなのだ。これが叶うようなところがなければ、もっとド田舎に引っ越すだろうな。もしくはちっちゃいアパートがいいな。

2013年5月26日日曜日

[4133] メダカ

もらったハスの一つは『一天四海』というものらしく、茎はうまくいけば人間の背丈ぐらいの高さになり、かなりドでかい花が咲くらしい。椅子を持ち歩きながら一番良い眺めの場所を探す。
 あと一種は家の中、もう一種は今までのピンクのハスのある鉢に寄せ植え。今までの鉢には生まれたばかりのメダカの稚魚が一匹いた。今年初めて生まれたメダカだ。それを掬い、家の中のメダカがいっぱいいる鉢に逃がした。稚魚に「暫くここにいろよ」と言い終わる前に、大きなメダカがやって来て、いとも簡単にパクリと食べちゃった。 
ア"ーーーー。茫然自失。口あんぐり。泣きたくなった。

2013年5月25日土曜日

[4132] ハスオヤジ

玄関側の鉢植えのフジが満開です。水をやっていたら禿げたオヤジがやって来て「ハスをあげる」と言う。個展前で忙しいし、変なヤツには関わりたくないので「いらん」と断ったら、「普通のピンクではなく、こんなんだよ」と写真を見せつけられた。3種類あった。ワシにとっては珍しいものだ。でも鉢がないので「じゃあ、一種だけもらってやる」と言ったら、「作品を注文制作して欲しい」と言う。なるほどそういうことならハスは3種類もらうことに。
 楽しみは意外なところから降って来るものだと思った。でかいハス鉢を買わねば。

2013年5月24日金曜日

[4131] げんかつぎ

5/31から6/18まで、地元村山市の『最上徳内記念館』で個展します。タイトルは『げんかつぎ猫百覧会』です。
「げんかつぎ」とは縁起のよい行為のことです。僕らの行為は、あれしちゃいけない、これしちゃいけないといろんな規則やしきたりに捕われていて、子供時代のような無邪気さが無くなっている。その延長で自由にダンスができない大人になってしまっている。
 今回の展覧会ではそんな不自由な枠を外し、自由を再び手に入れるような行為を示しています。忘れていた行為や滅多にしない原始の行為など、まあ子供に還って自由に体感してみてください。
会場:最上徳内記念館 
明治時代に建築された旧家の母屋を庭園に移築した建物です。 
住所:山形県村山市中央一丁目2番12号
会期:2013年5月31日(金)~6月18日(土)水曜定休日
営業時間:9:00~17:00まで(16:30までに入館)
問合せ:0237-55-3003

2013年5月23日木曜日

[4130] 鯉のぼり

鯉のぼりを久しぶりに見た。きれいで不思議な風習だ。男子の立身出世を願ったものだろうけど、ワシの子供の頃、両親はワシのために鯉のぼりなんて立てただろうか? 記憶にないから無かったのかもしれないな。あの父親は偏屈オヤジだからな。それともワシが引き籠っていたので見なかったのかもしれないな。
 あっ、うっすらと鯉のぼりの風景が見えてきたわ。何だろう? この風景。鯉のぼりの下で父親が見ず知らずの女性と……。鯉あらざる、恋? なんちゃってね。

2013年5月22日水曜日

[4129] 真人

真っ赤な車で名前が『真』の人がやって来た。この人とはいつかちゃんと話したいと思っていた。真の人、『真人』とは、哲学詩人荘子の中に出てくる人間が目指すべき人、極めた人のことだ。
 数時間話して「渡り鳥ってなんでわざわざ渡るんだろう?」と問いを投げかけてきた。あ〜、とても美しい質問だ。おもしろい! あ〜、面白い。その問い、既成の解答に流されずに、庭の木のように小さいものから育ててゆこうぜ、ジッと観察しようぜ。こういう問いに真剣に向かうことやただ只管に絵を描くことや山という山を歩くことなど、まさしく尊い真人の姿だと思う。名前の通りの人だった。また語るべ。

2013年5月21日火曜日

[4128] スズメ

ピニャモがスズメを捕まえた。宙に放り投げたりくわえたりしながら弄んでいる。その表情は嬉々として、一皮むけて大人になったような自慢げな顔だ。
 捕まえたところは見てないから本当かどうかは解らない。いきなりこのスズメに死期が近づいて庭に落ちてきたのかもしれない。
 しかし神奈川の家に居た頃、あのデブのポチ君が飛んでいる鳥を捕まえ、池に落ちたのを目撃したことがある。ポチ君と比べたらスマートなピニャモダもの、間違いなく捕まえた。
 そういうことにしておこう。

2013年5月20日月曜日

[4127] 世界三大紅葉樹

ちらちらと芝生の花が咲いてます。
 今日は世界三大紅葉樹のスズランノキを衝動買いしてしまった。三大紅葉樹の一つであるニシキギがうちの玄関側にある。前の家では確かにニシキギはすこぶる美しかった。今のニシキギはいまいちだけど。あと三大紅葉樹の一つがニッサボクという樹木らしいが、見たことはない。三大紅葉樹、しかも世界が付くんだもの庭好きのワシにとっては我慢できない誘い文句だ。しかしワシは紅葉で一番きれいなのはハゼだと思っていたけど、誰がこれら三つを世界三大紅葉樹なんて言い出したのだろう? まあ何だっていいんだけど、スズランノキを調べてみると花も素晴らしくきれいな感じだ。楽しみダーーーー

2013年5月19日日曜日

[4126] エレファント金魚

ハスは芽が出てやや安心。ところが池のスイレンがいまいちなんだ。そこで水を抜いて太陽がなるべく当るようにする。これで様子を見てみようと思う。
 池の金魚の一匹の頭がやけにでかい。どこかで見たことある顔だなぁとず〜っと見てて思い出した。デビットリンチの映画『エレファントマン』だ。妙な映画だったなぁ。あの監督の映画はほとんど見ているが、あの変態情熱不可思議感覚がけっこう好きなんだよね。それにしてもこの金魚、何でこんな頭なんだろう? 頭良かったりして。

 

2013年5月18日土曜日

[4125] 仙台

いきなり思い立って車で仙台へ。庭しか知らないワシが車で仙台だよ。前世に仙台へ行ったことはあるが、仙台がどんなところなのか完全に記憶にない。作品はよく出かけているのだが、ワシは行かん。峠はきれい。それにしても暑い。なぜにこの街は4車線なんかにしたんだろう? 緊張するではないか! 駅に人が多い。我が村で歩いていて人にぶつかることはない。とにかくちょいとぶらぶらして、すんなり帰って、もはや仙台は手の内じゃ! 

2013年5月17日金曜日

[4124] タヌキ

夜、ポチ君が家の中から庭に向かって唸っている。どこかの猫が庭に入ってきたなと思ってみたらタヌキだった。どこにもタヌキはいるもんだ。田舎のタヌキは、まあ野生だから怖いけど、まだ可愛い。ところがふんぞり返っている人間に化けたタヌキは偉そうで上目線で怒りっぽい。田舎のタヌキと同じで怖いけど、まったく可愛くない。
 しかしこの庭のタヌキ、川沿いの崖のところに巣でもあったのだろうか? 入ってきたとすればいったいどこから? 庭は網の張った柵で囲んである。抜け道があればいい。たぶんあるんだろう。おおよそ僕ら人間には想像もつかない、見えもしない、探すこともできない抜け道が、あの目の前の山と繋がっているのだ。
 写真は置物だよ。

2013年5月16日木曜日

[4123] 六道

昨晩の生ビールを燃焼しようと川沿いを歩いてみる。ここに来て4年目なのに、目の前の道を歩いたことなかったことに驚く。
 新緑がきれい。春ですね。宮沢賢治の『春と修羅』が過った。
 修羅とは六つの迷う世界の一つで、争うことが道だと思うような心。つまりは他人や他国の悪いとこしか見えず、戦って勝ち誇りたい意識かな。修羅道の上に天上があり、天上とは修羅が悪口言うところの「平和ボケ」ですね。ところで修羅道は争って運良く勝ってどうなるかと言うと、そこは天上になって平和ボケになるからおかしい。負けたら、憎しみ増えてまたまた修羅。もしくはあまりにヤバいことに手を染め悲惨にも地獄へ行くかも。天上が一歩間違うと餓鬼道となる。昔の絵で餓鬼は痩せ衰えていたけど、今は平和で食って食っても満たされないデブ道だからね。あと言っても解らんこき使われるだけの畜生道。六つ目が人間道。人間道は真理を究めよう悟ろうと精進ですね。
 畜生道まっしぐらのポチ君にそんな話しをしたら「プッ」と吹かれた。

2013年5月15日水曜日

[4122] 愛人

男共は権力の囲いの中に金と女を求め、与えられ、さも偉そうに振る舞う。あ〜ぁ、そんな不自由な囲いを歎き、街(村)に愛人をゲットするために出かける。見つけたカフェ(パン屋ノウカ)に入る。カフェには同じ歳の頃の女性がいるが、身体のここが痛いそこが痛いと話しは弾まない。もっと年上の女性ならもはや達観しているかと思えば、お墓に入る準備で暗い。僕よりやや若い女性は、ダイエットや曲がり角で少々ウツ気味。二十代は元気だが人の話しを聞かないわがままで面倒。もっと若い十代はまるで話しが通じない盛りの付いたサルのよう。では十代以下の幼女は、そんなのに手を出すのは変態犯罪だ。
 あ〜そうだ、愛人を人に求めるからいけないと、温泉入って生ビール飲んで猫抱きしめる。これが最高。これって温泉(地と水)、生ビール(植物)、猫(動物)と自然こそ愛なんだ。しかしこの自然を維持するにはそれ相当の情熱と汗と涙とガッツ、それに愛が必要なんだと悟る。

2013年5月14日火曜日

[4121] タンポポ

今年初めての草刈り。
 去年の庭はほとんどがクローバーだったが、今年はぺんぺん草、イヌノフグリ(実が犬のキンタマに似ているんだって。気にしているのだが、いつもチャンスを逃すようでまだ見たことがない)、ヒメオドリコソウ、グレコマ、タンポポ、あといろいろあって楽しい。
 タンポポってのは写真のように黄色い花が咲き、午前中ぐらいで萎み、また次の日咲く。それを何日か繰り返し、いつの間にか、ある時、あのふわふわの毛玉になっている。あの菊のような花がまん丸い毛玉になるってのが面白い。
 ところで花と毛玉の間が気になる。半分花で半分毛玉ってのが咲いているんだろうか?

2013年5月13日月曜日

[4120] 歩く

目の前の山が新緑で美しい。この間まで松枯れの倒木だらけでカッコ悪かったが、それが新緑で隠れた。
 久しぶりに山歩きをしてみた。いい汗かいて筋肉も気持ちいい。これはいい運動だ。上りあり、下りあり、階段あり、沼あり、倒木くぐりあり、倒木またがりあり、何かの泣き声あり。だいたい30分、3000歩。万歩計を持っているわけではないが、子供の頃から知らぬうちになんでも数えてしまう癖がある。でも、何度も同じ数字を言うことがあるからたぶん間違っていると思う。だからおおよそ3000歩。自分の歳だって間違うんだもの。
 

2013年5月12日日曜日

[4119] 亀吉

亀吉がまだ冬眠している。去年は連休明けには起きていたので、少々心配。叩き起こしたら、やっと目が覚めたようでうろうろしている。猫のエサを食わす。
 しかしよくまあ半年以上もメシを食わずに生きているものだ。夏でも一日中起きているわけでなく、猫のようによく寝るから、起きているのは一年の内、二ヶ月くらいかな。すばらしい。身体の機能はどうなっているのだろう?
 そういや人間にもメシ食わずに一日数時間太陽に当るだけの人がいると聞いた。植物のように光合成でもしているんだろうか? なら靴の中に油かすと腐葉土が入っているんだろうね。

2013年5月11日土曜日

[4118] セレンディピティ2

昨日の童話でもう一つ面白かった話し。長いから適当に僕の言葉で書くね。

『王様が国一番の彫刻家に黄金を1トンを使ってライオンの彫像を作るように言った。彫刻家は王様に喜んでもらえるようライオンを作った。それは素晴らしい出来で、王様は喜び褒美を与えた。それを聞いた別の彫刻家は僻み妬み「出来のいい彫刻家は黄金をくすねた筈だ」と噂を立てた』
 まあ、ここまではどこにでもあるような話しの始まりだ。ところがどっこい途中端折るけど、次。
『出来のいい彫刻家は妻に言った。「実は黄金をくすねたのだ。誰にも言うな。言ったら死刑だからな」』

 え〜〜〜、良いおじいさんと悪いおじいさんの話しじゃないんだ! でも解る気がする。なんかこっちの方があり得るなと思ってしまった。写真は黄金くすねた猫です。

2013年5月10日金曜日

[4117] セレンディピティ


セレンディピティという言葉を生むきっかけになった科学者が好むような童話を読んでみた。

『亡き国王は「このなぞなぞを解いた者と結婚しなさい」と王女になぞなぞ遺言を残した。
 王女は目の前に現れた知恵者の若者に遺言のなぞなぞを出した。
「ここに卵が五つあります。これを割らないで私と爺やとそなた三人に平等に分けてください。これができればあなたに並ぶ知恵者はいないでしょう」
 若者は、すぐに王女に卵を三つ、爺やに一つ、自分に一つ配った。
「王女様、これで均等に分けました」と。王女は理解できず説明を求めた。
「爺やと私は生まれつき二個持っていますが、王女様にはそれがございません。この分配で三人とも三つ持つことになります」
「お見事です。結婚しましょう」と女王様』

 オイオイ、キンタマの話しかよ!



2013年5月9日木曜日

[4116] お礼

写真のこの花はモモです。右向こうのポチ君のところの木は花が終わったサクラです。今日は花の終わった木々に「ご苦労様でした」ということで花後のお礼肥料を与える。これで木々は「では来年はもっといっぱい花を咲かしてやるからね」とすくすく育つらしいのだ。
 肥料をやっているとき、枝垂れ桜の周りに桜の芽が出ていた。根から出ているものだった。まだ細い根だったので、根ごと切っちゃって鉢に植えた。やや大きくしてから庭に植えようと思う。見応えの枝垂れ桜になるのはいつのことやら。まあ、最低でも十年二十年はかかるだろうね。
 焦ることはない。その長い時間に、待つ僕の心の中には、今はまったく思いもしない楽しみが、密かに芽生え、ゆっくりすくすく育つのだから。

2013年5月8日水曜日

[4115] 壁

コーヒーを買いに遊歩道を歩く。最上川をツバメが幾羽も飛んでいた。優雅なもんだ。
 昨日の『解放感』だけど、解放感というのは狭いところにいた意識や精神がドアを開ける、もしくは囲まれていた壁が消えて無くなるようなもの。
 昨日草むしりして思ったのは、目の前の草は僕の兄弟だと言うことだ。大昔に地球上に一つの生命から分化発生して草も僕もここにいる。人種に関係なく人間同士が兄弟というのは簡単に解ることだが、元を質せば草だってそうなんだよな。猫もそうだし、目の前のツバメだってそうだ。そうそう、写真のその奥の最上川の水だってそうなんだろうと思うよ。
 僕と僕以外の壁が無くなった瞬間だった。

2013年5月7日火曜日

[4114] 解放感

冷たい小雨そぼ降る中、カッパを着て、庭に蔓延る魅力的でないヒメオドリコソウの草むしりをする。ヨーロッパから来た、名前は踊る姫、ダンシングガールなんだけど、どうも見た目が陰気だし、身勝手に蔓延る。名前を変更してガガツヨソウにすればいいとひとりごちた。
 あまりに広がって庭中踊りまくっているので、むしりにむしるうちにカキドオシやぺんぺん草などいろんな小さな花を発見する。そのうち思いもよらない日射しが降り掛かり、頭部が暖かくなって意識が自然の中に溶け込む。
 自然とは何なんだろう? 人類はどこに向かっているのだろう? などの何十年思索しても答えのでない金にもならない疑問が、ふと解ったような心地良い解放感に包まれた。

2013年5月6日月曜日

[4113] 寸前

この連休は家に尋ねてくる人が多かった。そのせいで庭仕事も本職もなかなか集中させてくれず、人嫌いになる寸前だったが、次年子窯に頼んでいた大作が無事爆発せずにできたので、僕の内部も爆発せずに済んだ。大作はそんなに大きくないのだが、とても重く、大事を避けるために二人掛かりで運ぶ。
 この写真よく見ると、僕らのバックに雪がある。ここはまだまだ冬なのだ。それに関係ないけど、僕の目が寄っている。たぶん爆発寸前の表情がそのまま定着してしまったのだろう。

2013年5月5日日曜日

[4112] スイレンとハス

今日は朝から春最大の難儀な仕事、池のスイレンやハスの植え替えをしていて思った。
 人というのは「こうすれば、このマイナスはプラスになる」などの他人の言葉を、裏があると知りつつ信じ込み、自分の心の葛藤を他人任せにする。これは自立心ではなく依頼心という。依頼心で心からマイナスが消えることは無いだろう。その仮に現れたプラスは完全な快晴では無く、ほんの束の間の雲間から覗ける程度の晴れ間だ。そのような曇った空を、これが現実なんだと思い込み、本当の快晴を諦める。しょうがなく戦争をし、しょうがなく人を殺し、しょうがなく毒を飲み、弱いものや負けたものが苦しみむのはしょうがないと思い込む。そんな言葉に付いてゆくその意識こそが創造力の欠如だと思う。
 スイレンやハスはどうしようもない泥沼から美しい花を咲かせる。

2013年5月4日土曜日

[4111] 忘却

ものを忘れることは、気にしなければいい。たぶん必要じゃないから忘れるんだろうと思う。忘れていいものなら忘れた方がいい。忘れるということは、毎日が過去の記憶と関係なく、目の前の風景が今初めてみるような感動があるから新鮮で楽しい。
 それとは反対に物覚えや暗記は面倒で、忘れないために努力するのは苦しい。物覚えや暗記が得意な人は頭がいいといわれ、頭がいい人がこの社会をコントロールしている。つまり社会とは過去に縛られた苦しい奴らが作ったもの。だから面倒で苦しいんだろう。
 今を生きろよ!

2013年5月3日金曜日

[4110] 木の芽

朝五時半起床。農家でもないワシが農業用水路掃除に駆り出された。防火用水としても使うから、って言うんだけど、なんか誑かされたような。でも眺めのよい歩いたことのの無いところだったので楽しかった。途中、おじさんが「ほら、これがナンマイだ」と木の芽を取ってくれた。おひたしにすると美味いらしい。何の木なのと聞いたら、知らないと言う。本体はどうでもよくて、食べられる芽だけに名前を付けているみたい。
「もりさん、木の芽なら何だって食えるよ」
 飢饉などの時代、東北の山人は山に成るものならなんでも食ったんだろうね。
「うるしの芽も美味いよ。もりさん、かぶれる? かぶれるならダメだな」
 写真は昔にうるしかぶれになった時のもの。俳優の阿藤快ではないよ。

2013年5月2日木曜日

[4109] 分裂と融合

フランスから内密で原発の何か運ばれたらしいよ。
 原発というのは核分裂でエネルギー作っているんだけど、この『分裂』ってのが気になる。人でいえば頭が統合失調症っていう病気だ。病院に行って薬治療だね。夫婦でいえば離婚だ。ひどいと弁護士雇ったり、裁判だし、やはり面倒。社会でいうと病院や役所内が細分化されているので、ぐるぐる回される。これはストレス。国でいうと分裂は戦争だ。
 どうせなら太陽のような核融合によるエネルギーを借りるのがいいのかも。『融合』は結婚とかそうだし、愛がまさしくそうだ。とりあえずこっちの方が薬も弁護士も必要ないし、ストレスもない。戦争なんかとは反対の楽しい祭りだもの。
 今日は作品融合のため、ガラス作家のチリさんが来た。

2013年5月1日水曜日

[4108] 次年子

昨日、次年子窯に持っていった作品の手直しをしに、今日も次年子村へ。この名前の由来は年末に生まれた赤ん坊は冬を超えた次の年に役所に届けるぐらい雪が深いから『次年子』と言うんだって。次年子村に最初にそば屋ができた頃に入った懐かしいそば屋に入った。あの頃とは違って部屋が増えていた。その話しを女将さんにしたら、店ができた次の年に部屋を増やしたから、僕は26年前に来たお客だと言う。開店当初の話しを聞いて女将さんはソバをもういっぱいくれた。おかずにいろんな山菜を出してくれた。山菜の名前を聞いたら「食えるもの」だって。そういや、沖縄の竹富島の民宿で、僕が海から拾ってきた貝の名前を聞いたら、民宿のおばさんが「食べ物」と言っていたことを思い出した。どちらもいいとこだね。