2018年2月6日火曜日

[6250] 一歩先

●一歩先
 去年の個展『STOP』では、『プラスマイナスゼロ』のコンセプトで社会の気になる出来事を解釈してみた。この社会に住んでいる限り、たとえ表面的に無視していても、この社会の何かしらの影響は受けている。ペリペリ画法をなすがままにやりながら、その技法の様々な要素から思考を膨らまし、いろんな事柄の解釈が進んだ。洗濯物と依頼心はリンクすることが見えてきたし、薪割りと原子力もリンクしていることがわかった。(これらの考察はワガジン7にまとめた)
 個展後、自分の解放のためにこれまであまり表現していなかった自分の内部の未知の部分である『暗』部をペリペリ画法で暴き出すことを試みた。猫メインで作品制作していると、この暗部が無意識に忌み嫌い臭い物と思い込み蓋をしてしまう。いつの間にか蓋がどんどん厚くなる。これでは真の現実にも蓋がされ、幻の社会を追うようになって心に葛藤や争いが起こり、息苦しくなる。今は暗部を抵抗なく描けるどころか感動さえ沸き起こるから蓋はペリッと剥がれたのだろう。もう明暗はない、と同時に透明な軌道の上にいることを感じる。もう社会を解釈したりなぞるのではなく、今は社会や自分の内面の一歩先を創造している。

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