2020年12月19日土曜日

[7296] 雪掻きハイ

 ●雪掻きハイ

ワシの雪掻きは

作品制作と同じで

サッサとやらないとダメだ。

だからゼイゼイ、ハーハーする。

しかし面白いのは

ヘトヘトを超えたあたり

もうダメだと認めたときだろうか

乱れたリズムが苦と共に

身体からスーッと離れるような感覚を味わう。

自分がここにいなくなったような

ステージが一段上がったような

雪景色が美しく

呼吸が整い空気がうまくなる。

これは一体なんだろう? 

もう一回これを味わいたくなる。

現実を形作っていた既成の概念が

ある境界を越えると無意味になるのだろう。

これは『雪掻きハイ』だ。

これは癖になる。

体の痛みや疲れを消すべく

ぐっすり寝て

明日も雪掻きしたくなる。

欲とは言えない欲である。

自然はそこまで無慈悲ではない。

なぜなら自然と人は

分離しているわけではない。



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