●ぱぱに・ままに
『ぱぱに・ままに』が「不可解」「怖い」との意見があった。素直な意見だと思う。
少し説明しますね。
簡単に言えば、意味を省いて心地よいと感じるままに作った。『感じるままに』だから『ままに』です。
人の幸せとは何だろう? という疑問があり、経済かと言えば、それは人々を貧富に分断し、管理社会になって自由はない。貧はルサンチマンとなり富は親族奪い合いや孤立する。では快楽かと言えば、それは苦痛の裏返しで、老・病・死を超えられない。つまり経済も快楽も幸せではない、偏ったものなのです。では一体何?
僕は去年ふとしたことで絵の制作工程から、言葉ではない完全な『わ』を発見しました。目の前にポコっと現れたのです。これは何にでも当てはまるので、ややマンネリ化している一番身近な粘土いじりで試してみました。
僕の作品は猫と仏像など既知の意味あるものと色と形態などを材料としてできています。これらの材料の中の他人から借りていた意味のところをなるべく返してみたのです。意味は人を縛り、その縛りがオリジナリティになるから仕事になる。でも縛りはうざい。その縛りからの解放が心地いいわけですね。そしたら『ぱぱに・ままに』が生まれたのです。
例えばこんな風にも言えます。行き先を決めずに船に乗って冒険に出る。引きこもりだから精神で旅しました。やはり広い海は怖い、目的地がないのも不安です。でも大きな海原に漂っていると、心がおおらかになって自由を感じます。危険と隣り合わせに新鮮だから感覚が研ぎ澄まされます。他人に迷惑も期待もないせいか自分が広大な海になった感じになります。目的という未来がないから今が心地よくなります。やる前にはこの粘土の冒険はどうなるのか、どんな風景を見るのか、どんな音楽が流れているのかと興味津々でした。
やったら、なんと! 春真っ盛り、飲めや歌えや踊れや、人種のるつぼ、天国、歓喜パーティでした。それが『ぱぱに・ままに』です。
皆さんが恐くなったり不可解になったりするのは、一緒に海原に出ているからです。その裏の自由で解放的な冒険面を感じてください。爽快になるはずです。感じる『ままに』、そこから感じる『ぱぱに』。
写真は『ぱぱに』です。
*個展案内
もりわじん個展『幸福感』
2021年 4/29〜5/5
場所:東京都台東区谷中2-6-24・猫町ギャラリー1F
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