●雪の作品
ペリペリ画法をやると、当然のごとく剥がされた紙が床に散らばる。普通の絵なら紙やキャンバスに絵の具が重ねられてゆくので、絵の具が乱暴に飛ばない限り床に拾うべきゴミはない。つまりペリペリ画法は絵の具が塗られるので質量がプラス、剥がされ省かれ捨てられるので質量がマイナス。行為もそうだが、質量的にもプラスマイナスゼロのイメージを持っている。
自分はこの剥がすマイナスの後のビジュアルに感動したのがきっかけで、この画法を成長させている。プラスだけの絵を描いても自分の絵としてはイマイチ納得がいかなかったのだ。『剥がされ省かれ捨てられ』の言葉は暗く切ない意味合いだがとても興味深い。他人の作品でもいろんなものを削ぎ落としたミニマルな作品に興味をそそられる。または題材としてマイナス的イメージを含んだものに対して興味をそそられる。かといってミニマルアートを好むわけではない。彫刻がそうだとは言わない。そこから脱するプラスがあってこそゼロなんだろうと思う。
半透明な紙で折り鶴を作り、雪の上で燃やす。
都市ではマイナスの雪を、
あ~、やっと、
僕はプラスに表現できた。
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