藁を探しに東京から若者がやって来た。藁でなんか作ってなんかやるらしい。現代のワラシベ長者かも。
ワシは三十半ば、ソバ屋の片隅で埃を被って忘れられた存在の招き猫をたまたま新しく作ったら、あれよあれよとメシが食えるようになった。宝物や資源ってのは中央ではなく周辺にあるのかも。あまり人の目には触れず、意識上にも登らずゴミみたいに転がっているのかもしれない。中央には使い古した腐った椅子があって、みんながそれを奪い合う。周辺には誰も座ったことのない椅子はもちろんソファーだってベッドだってある。草枕だってあるよ。さあ、周辺に、世界へ、宇宙へ散らばろう!
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