●糠油（ぬかあぶら）
僕は若い頃、皮膚が弱く顔や手に水泡ができ破れてボロボロだった。その頃の民間療法に糠油（ぬかあぶら）があって自分で作って毎日塗った。そしてぐちゅぐちゅ皮膚を完治した。
今、作り方をネットで調べたけど、ないね。糠油などは過去にもなかったような、もはや誰も作り方を知らないものになっているのかもしれない。少し驚き、やや虚しい。
水泡肌は治るかもしれないのでとりあえず作り方を載せておくね。気になる方はどうぞ。
１：味噌汁のお椀に新聞に付いてくる広告の紙を被せる。
２：この上にこんもりとおにぎり１個分ぐらいの糠を乗せるんだけど、糠がお椀に落ちないように紙の周りをセロテープで三箇所ほど留めるといいね。
３：このこんもりの糠の上に３立方センチぐらいの火種になった炭を乗せる。でかいお灸みたいなもんだね。糠が少しずつ焦げてくる。少しだけどもちろん煙が出るよ。
４：糠が８割ぐらい焦げたら、炭を取り除き、焦げた糠も取り除き、お椀の紙を取り外す。
５：お椀の底に琥珀色の油がほんの少し溜まっている。これが糠油。
●イラスト
久しぶりに
イラストの仕事が来た。
最近はコロナやワクチン
罵詈雑言炎上などの
もがく情報ばかりで
つまらないと思っていたところに
ホントありがたい。
庭を眺めながら
絵のイメージが降りてくるのを待つ。
あっ！ キターーーー！
濃霧が晴れた！
写真：
下駄の代わり夏はビーサン。
ハサミで切って前後がわかるように印付きシャツ。
●ねこの大五郎
コロナ禍で個展も展示会も思うように行かないこの頃。
そんな中、僕の作品を通販で
楽しく展開してくれているお店があります。
四国愛媛県にある『ねこの大五郎』さんです。
https://nekono-daigorou.shop-pro.jp
話のわかる楽しいお姉さんが経営してます。
ここと付き合ってわかったのは
いろんな方がネット販売店を開設しますが、
お客さんが来るのを
ただ口あんぐり開けて
待っていればいいわけでない。
やはり普通の商店と同じように
お店の顔が大事。
ここの店長は気っ風がいいしハートもいい。
お客さんにはこの上なく懇切丁寧だし
僕の創造力を掻き立ててもくれます。
覗いてみてください。
●無私
今日は僕の６４歳の誕生日。
そこで閃いた！
『わ』の法則を『ネイチャー』誌に寄稿しよう！
尊敬する南方熊楠さんも寄稿していたようだし。
そう考えるとなんか楽しいわ！
一般にわかるようにできるかどうかが問題だけど
まぁ、取り敢えず６４（ムシ）、
無私の夢を見てみよう！
●オスメス
今いるのがオスだった！
体が大きく背中のラインが白っぽいのがメスで、
オスは小さくラインが緑色。
ということは
可愛いふくよかなメスがいる我が池に、
小さいオスがやってきたけどメスに振られた。
メスは出て行ってしまった。
オスは腹いせにこの美しい池をぶんどった。
違うメスが来るのを待っている。
でも本当はあのふくよかなメスが忘れられない。
カエルの世界も人間の世界も
思うようにいかないですね。
写真：睡蓮の花の方が今はいないメス。もう一つが今いるオス。
●歓喜
コロナ禍になって『わ』の図を発見した。
一般的には『わ』をモノとモノを足して増やす意味で捉える。
しかしそれではない。
同じ絶対値のプラスとマイナスを足したら
ゼロになると考えた方が近い。
結果がゼロだから、
プラス思考もマイナス思考も意味がない。
ある意味、それらは幻想だ。
（言葉遊び）
『わ』他私『わ』加離『わ』裸有。
●カエルちゃん
朝、池を見たらカエルが小さい。
違うカエルだ！
カエルくんに彼女ができたのか！
良かった良かったと思っていた。
しかし昼になっても夕方になっても
カエルくんは帰ってこない。
夕方、カエルちゃんが
カエル様に挨拶していた。
カエルくんはどこへ？
●楽しみ
昨日の『吾唯足知』の『足るを知る』について質問があったので少し説明。
『足りている』とは『足りない』意識が根っこにあって、その後『足りている』と納得する。重要なのは根っこにある『足りない』の方です。この根っこを無視して、表面だけ満たそうとしても、やはり根っこは『足りない』まま。実はみんな『足りない』んです。だからいろいろ言うしやるんです。大金持ちのジョブスももう少し長生きしたかっただろうし、『足りない』んです。『足りない』のを人のせいにしたり社会のせいにしたりしますが、他人も社会も『足りない』んです。『足りない』から奪いあうのです。
そこで根っこの『足りない』をよく観察すると、逆転の発想で『足りない』から余裕がある、ということに気づきます。水がコップに半分しかないのは足りないけど、まだ水を入れる余裕があるわけですね。Stay hungry 腹が減っているからなんでも美味しい。Stay foolish バカだからなんでも知ることが楽しい。この余裕と楽しみがあるから『足りている』になります。本当に心身が知るべきは、この『足りない』からこそ『足りている』、二つの間にある『楽しみ』なんです。
●足りない
「Stay hungry, Stay foolish」
片やお腹、片や頭に喩えて
同じ『足りない』のことを言っている。
『吾唯足知』の英語版ですね。
ジョブスは禅に心酔してたので、
英語でこの言葉を世界中に伝えたかったのだろう。
足りないを知らない金持ちが多い中、
さすがジョブス、えらい！
●一歩進む
『百尺竿頭に一歩進む』
意味は「到達しえた極地よりさらに努力して前進すること」
「どれほど高い境地に到達したとしても、命をも投げ出して衆生済度へ向かってこそ、悟りの意義がある」と言うのが由来。
ワシ、頑張ろうっと！
●境界
ものやことには境界がある。表には裏があり、表と裏の間に境界がある。人は表を目指し、表にいて明るい日を浴びていると、暗い裏が嫌になる。表にいることで高慢になり、裏を差別する。もともと一緒のものなのに。一緒だから実は表も裏もない。境界しかないのである。人は誰もが境界にいる。境界にいることを忘れてはならない。
●人類
誰もが
民族や国家が
最初からあったように主張する。
地球上に人類が生まれたのが先で
民族や国家は後でできたもの。
人は子供時代があって大人になる。
無邪気や新鮮や無垢が初めにあるのだ。
民族国家の前にある人類という初心を忘れてはならない。
●初心忘るべからず
昨日は墓参り。
父親にいろいろ報告。
話の合わない父親だったが、
いなくなったら一番話が通じる。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
世阿弥の『初心忘るべからず』とは
「最初の目的を忘れるな」ではない。
本当の初心とは
「最初のその未熟さや危うさを忘れるな」である。
●芸道精進
お盆、１１年前の今日、
世話になった画材屋の奥さんの訃報の電話があった。
僕より一つ歳上だからまだまだ若い。
その後、画材屋を舞台に
半自伝的小説『自由自在堂』を書いた。
読み返してみた。
書いて本当によかったと思う。
いつまでも芸道精進ですね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
誤解されやすい中道。
中道とは全てに偏らないことだ。
だから真ん中でも中心でもない。
なぜならその概念に囚われ偏るからだ。
人はここで中道を誤解する。
もちろん上下左右でもない。
中道は柔道や剣道や書道や花道や茶道、
そして人道。
それらの本質にあたる。
思考は必ず偏るから
偏ったところに停止したら
道を見失う。
なにしろ道なのだから。
芸道精進。
●ウナギ仙人
久しぶりに草刈り機ではできないところの草むしり。コロナ前はしょっちゅうやっていたが、庭に人が集まることがなくなったので、あまりやらなくなった。やはり人が来ると語らい楽しくなるから、面倒な草むしりも楽しい。人と会いたくなるのは、孤立が幻想であること、それとは反対に実在する『わ』があるからだろう。
昔、西表島に行った時、バイクで島を一周しようとしたが一部分だけ道がなく行けないところがあった。そこに仙人のような人が一人で住んでいるという。テレビ局が仙人に会いにジャングルに入り、仙人から大ウナギをご馳走になった。別れ際、仙人が「寂しいからまた来てね」と言った、という話を聞いたことがある。
●尊敬
池にいるトノサマカエル
親分の下にいるか池の端にいる。
ずっと見てても
なかなか目の前を虫は通らない。
池の水を飲みに蜂が来るんだけど、全然場所が違う。
クモだって同じようにじっと待つタイプだけど
クモの巣はかなりデカイから虫が引っかかりやすい。
カエルは万に一つの餌を持っているようにしか見えない。
なんて辛抱強いヤツなんだ！
尊敬に値する。
●解放
いくら健康でも頭を解放させなきゃ病気だ。
いくら身軽でも頭が重ければ転ぶし逃げ遅れる。
動物が滅多に戦う選択をしないのは将来性がないからだ。
自分の仕事の可能性や将来性にエネルギーを使うことだ。
解放は外にはない、内から解き放つものだ。
●祈る
風が強くなるというので
日差し除けを外し、
庭の草を刈り、
猫の墓を掃除し手を合わせる。
猫の死でさえ辛いのに…
祈りは左右の手を合わせる。
左と右を和する。
左は右と融合し右は左の延長になるので
右が無くなる。
右は左と融合し左は右の延長になるので
左が無くなる。
左・右が無くなる。
祈りとは和を願うだけでない。
左右の分別をなくす行為である。
モノに形があってそのモノが解るように、
分断や孤立を無に帰す形が祈りである。
●原爆
原爆死没者慰霊碑に刻まれた碑文。
『安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから』
この碑文に主語はない。アメリカでも日本でもない。『人類全体の過ち』だからだ。
浜井信三広島市長の述べた言葉「この碑の前にぬかずく１人１人が過失の責任の一端をにない、犠牲者にわび、再び過ちを繰返さぬように深く心に誓うことのみが、ただ１つの平和への道であり、犠牲者へのこよなき手向けとなる」に準じたものである。これこそ正しいと思う。
人はいつまでもどっちが悪いかを理屈を捏ねて脅しあい争う。この社会は点が唯一正しい思考だを根底に置いているから、点と点が戦う。両手の持ち主は一緒なのに右手と左手が罪をなすりつけあうようなものだ。
全ての過ちはこの分断して判断する点の思考にある。
●毛
人間はケモノから進化し、
ほぼ毛のない子供として生まれる。
大人とは毛が生えるから退化なのだろう。
ワシはハゲになって再び進化している。
ところで人は
せっかくケモノから進化しハゲたのに
カツラをつけて退化したり、
すね毛や脇毛を剃り
全身脱毛して進化ぶったりする。
妙なもんだ。
