●前後際断
いつも一日二食で昼は食わないのだが、昨日は朝を少なくしてランチの誘いに乗った。そして遂に多分なんと47年ぶりに出身高校を見てしまった。
高校のことを忘れている自分はなんなのだろう考えてみた。そこで禅語の『前後際断』という言葉を思い出した。意味は「前(過去)と今、今と後(未来)の際を切り離して今を生きよ」というものらしい。
大学時代までの自分の過去は絵描きになろうとして断ち切ったのだろう。その学生時代の思い出やら交友関係やら風景まで断ち切ったようだ。だから昔の同級生とかに過去に引き摺り込まれそうになると、思い出に花咲くこともないわけではないが、何かに縛られ息苦しい感じになる。この息苦しさが問題だ。
その後、絵描きという過去を断ち切り、猫作家になった。やはり交友関係や風景が変わった。そして今度は60歳の還暦、生まれ直そうとまさしく『前後際断』、猫作家を断ち切り、ペリペリという画法を発見し平面創作するようになった。
そして今、過去も未来も全て断ち切る坐禅をしている。坐禅は無意味で観念もないから完全な『前後際断』なのだ。
僕なりの『前後際断』とは「固定した思いをいつだってペリっと剥ぎ捨て、思いなど何もないところにピタッと留まること」だと思う。世の中の根底はこれでできている、いわゆるこれが真理だ。ここが息苦しくない絶妙なところ、一般的には幸福というところだ。戦争などはただの無知だね。『前後際断』を知ればいい。
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