●二物衝撃
Aさんの肖像画を描いて、本人に見せたら「これ、Bさんでしょ?」と言われた。Bさんがネットで偶然それを見て「わたしを描いてくれたんだ?」と言った。思いっきり笑ってしまった! 肖像画初期だったので描きがヘタだったのもある…今もそれほど上手くはないけど。
ところで上手い絵は広がりを感じない。無駄なくいい感じに収まっているからだ。固定観念だったり既成概念に縛られているのがわかってしまうのだ。上手くないからこそ収まらないで既成を飛び抜けた自由がある。俳画はそれだけでなく二物衝撃をすることによって収まってしまうものを『空(くう)』にしてしまう。その瞬間、思考が一切吹っ飛ぶのだ。
そして今回思ったのはAさんBさんが二物衝撃したのだと。そのような絵を描いてしまったということはやはり自分にとって衝撃だ! わかったのは固定した二元論の上手い下手や良し悪しではなく、衝撃が面白いのだと、それも空的な衝撃が最も嬉しい。
昔、映画『ジョーブラックをよろしく』で流れる音楽が心地いいので調べた。38歳という若さで亡くなったIZというハワイの巨漢ミュージシャンだった。この歌をよく聞いたら『Over the Rainbow』と『What a Wonderful World』の二曲がうまく組み合わされている。映画も生と死がうまく組み合わされている内容だ。いい感じの二物衝撃だ。
俳句もそうだし、愛もそうだし、こうやって地球生命が発展し続けているのは二物衝撃に他ならない。この世界には二物衝撃が至る所隅々まであるのだ。一部に政治の二物分断があるけど、犬の群れ二つが餌肉を争い奪い合っているようにしか見えない。この分断も衝撃と言えば衝撃だが、空(くう)衝撃ではなく、ガツガツ食う衝撃だね。
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