●風に任せる
『自立』について考えていた。『自立』は英語でindependent、英単語を見ても解るように依存を含む文字面だ。そして風に揺れる『わ』作品を見ていて、自立とは「風に任せる」なのだと思った。
そんな時、久しぶりにサムに会った。文画集『雨にまけるわけがない』を英語に翻訳してくれたイギリス人だ。彼は英語はもちろん日本語でも詩を書いている。日本語は主語を省くしaとかtheとか余計な単語がなく、削ぎ落とされた感じが好きだという。そこで尾崎放哉の自由律詩『咳をしても一人』という詩を紹介した。ついでに自分が自由律詩の会に誘われて賞を貰った詩が『風やめなさい』だったことを話した。
ふと、面白いことに風が三つ繋がった。『風やめなさい』『風にまけるわけがない』そして『風に任せる』。初めは風に抵抗、そして風を理解、最後に風の中に溶け込んだような。そう言えば『風にまけるわけがない』をサムは否定系をつけずに Sufer the windと訳した。サム曰く、その意味は日本人には馴染みがなくあえて言うなら「風に任せなさい」だった。そして『南無阿弥陀仏』の『南無』とは「仏に救いを求め、完全に任す」ことなのだ。
ところでボブ・ディランの『風に吹かれて』はすこぶるいい歌詞だ。The answer is blowin’ in the wind. 彼は仏だね。
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