2024年4月5日金曜日

[8396] 叡智

 ●叡智

 この間、熊野山和光院の和田住職が東京の方を四人連れてやってきた。住職というと年寄りのイメージがあるが、会う坊さんはもはやみんな僕よりかなり若い。

 坐禅をやり始めたきっかけを話した。絵を制作していて『ペリペリ』を発見、そこから『わ』を発見、そして『坐禅』に行き着いたのだ。『わ』の図を見せたら、住職が「これは空(くう)ですね」と言った。空や無について話せる坊主という人種がいるってことがいい。

 昨今は空や無、色即是空という言葉もダルマさんが誰かを知らない人も多い。もったいないことだ。人間は簡単に言えば世間を『有』だと思い込んでいる。だから神や宇宙人やいかがわしい現象に惑わされる。そんな中で坐禅しまくったお釈迦さんが『無』を発見した。人類史上最もすごい叡智の発見だ。それを伝えてきたのが宗教でもあり哲学でもあり何もかも包み込んだ仏教だ。その行為たる坐禅がダルマさんから伝えられ、そして今や世界中に広がった。日本ではどこかの地点でせっかくの叡智が教育から省かれ中身のないものになってしまった。でも元々唯一の叡智だから最大にして極々希少価値、だから知る人など少なくていいのかもしれない。反対に欧米人が自らの思考に行き詰まりを感じ、仏の叡智に興味を示している。学者は概念としては禅の近似値なのだが坐禅をしないから机上の空論でしかない。だから一般人も空論で頭いっぱいにして物足りないと思い込み情報収集に明け暮れ人生を終える。物足りないのは空論だからだ。

 さて坐禅人口も外国の方が多いと聞いた。東京の方々よ、坐禅をして叡智を呼び戻してくださいな。





0 件のコメント:

コメントを投稿