●餓鬼
雪の地獄から『地獄にホトケ』の極楽体験を生かし、地獄・天国、修羅について考察した。
ついでに餓鬼について。餓鬼はいくら食べても飢えを満たすことができない。食だけでなく色欲、金欲、名誉や出世や権力などの過剰な欲。
生きていく上で欲は必要だが、人はちょっとでは足りないと思い、必要以上に欲しがる。未来が不安とか煽られるからね。いくら手に入ってもいつだってまだ足りない。だからいくら食べても満たされない。いくらお金を持っても満たされない。いくら恋愛しても満たされない。たくさん持っても持っても不幸なのだ。もはや地獄だ。
さて地獄なら『地獄にホトケ』でホトケに会えて極楽が来る筈だ。ところが求める思いで心がいっぱいになっているので、心に余裕がない。だからホトケが目に入らない。
さて雪掻きが大変だからと言って、ずーっと雪が降り続けるわけではない。春になると雪は溶けてなくなる。雪国ではそれまで辛抱が必要だ。この辛抱、欲で言えば小欲のことだ。生きていく上で必要な欲より多めではなく少なめのこと。早いより少し遅く、高くより少し低く、もっともっとより遠慮。するとお腹で言えばいっぱいでないから胃に隙間ができる。余裕が出る。心にも余裕ができる。ここ大事! 余裕があるってことは満たされているってことなのだ。つまり極楽ですね。この小欲こそがホトケに出会えるのだ。
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