2017年11月16日木曜日

[6168] 黒金魚

●数年前、池の金魚は越冬できず全滅した。それも生命力が強いワキンたちだった。池の構造が悪かったのもあったので工事し直したが、今いるオランダシシガシラはワキンに比べて軟弱な金魚。冬を越せるかどうか心配なので家の中に移動することにした。
 大人の金魚6匹に、ここで生まれた稚魚が4匹。稚魚はまだ小さく元気そうなので大人だけ移動することにした。ところが黒1匹だけ捕まえられず、池の底に潜ってしまった。なんとか捕まえて救いたいのだが餌をやっても水面に上がってこない。黒は軟弱でビビリな性格をしている。色が黒いし水草がたくさんあるのでどこにいるやらわからない。お手上げだ。
赤金「クロ、おれたちは人間に捕まってしまった。お陀仏だ。お前だけでも助かれー」
黒金「寂しいけど、稚魚らと一緒に捕まらないように頑張って生きるよー」
 などと話していると思うが、生き残るのは僕に守られた赤金たちで黒は池で越冬できない気がする。このことがずっと頭から離れず、数日間心配、気掛かり。
 ところが今朝方、いいアイデアが浮かんだ。
『赤金2匹を池の中に戻して、黒に仲間が戻ってきたことを知らせる。赤金らに餌をやる。黒は赤金らがいることに気づき安心して水面に顔を出し餌を食う。そこを網で掬う』
 早速、2匹を逃し餌をやった。すると久しぶりに見る黒い塊が恐る恐る水面に上がってきた。捕まえようとしたが、すぐに潜ってしまった。危険を感じたのだろう。なかなか顔を出さない。
 とにかくじっと粘る。ワシの中の中学生は数時間でも集中できる。そこに宇宙を見ているのだ。
 なんと! この作戦は見事に成功したのであった。銀河が見えた!
 ガハハハ、これで一安心。

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