●壁
還暦後の原爆からの続き。
核実験に飽きたので、暗部の視点をズラして新たな制作を試みた。
ペリペリ画法は紙の性質を利用している。日本には襖や障子など独特の紙文化が生活の隅々まで生かされている。思い出したのは昔の望遠鏡や阿修羅像などは紙と漆でできている。
ペリペリ画法で幾何学模様を描いた。それがタイルに見えた。心情的な暗部ではないがタイルには冷たいイメージがある。タイルを実験的に制作しているうちに、これは新しい壁の素材を制作しているような気がしてきた。
『自由を望むのは、今不自由だからだ。
今の不自由に抵抗しても自由にはならない。
不自由と自由の争いになってしまう。
争いは壁を作り、自分の内にも壁を作る。
その争いはエスカレートし
そのうち弾丸や原爆が必要になるかもしれない。
自由を望むのは、今不自由だからだ。
不自由な内面で描かれた自由は本物の自由ではなく
未来の夢、叶わぬ幻かもしれない。
夢や幻を描いても自由にはならない。
不自由な内面は不自由を描くことに真理がありそうだ』
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