2021年1月25日月曜日

[7333] 木

 ●木

 人は社会や環境が変われば、自分は変われると思っている。でもこれを自ら実行するのは自分が自分の今を変えるという決意が初めにある。だから変えるのは外面の社会より自分の内面が先である。

 この社会に不満を持ち、社会変革とか革命とかを考える。人の思考というものは自分の劣等感や趣向が底辺にあるから、自分の好き嫌い、または自分の立場を守るような自分に都合のいいような情報を集める。よく直感的にと言うが、ほとんどの人の直感そのものは自分に都合がいいようにできている。だから偏っている。

 そもそも根本的な間違いは自分が社会を二つに分けて考えていることだ。あっちとこっちに。つまり問題は自分の内面が分断している。外面ではなく自分の内面に問題があることに気づいていない。分断した考えでは、その結果も分断する。葛藤しているのである。葛藤はエネルギーが湧き上がるモチベーションになり得るがエネルギーの浪費である。全面的に一つのことに集中したほうがエネルギーの使い方としては無駄がなく創造が増す。

 社会を二分する考えが季節の夏と冬なら、その分け方は表面上だけで、夏と冬は二分されておらず美しく繋がっているのが真実だ。木々はそれを知って成長する。季節だけでなく、根である暗い地下も花開く明るい地上も知っている。

 思うのは、人間は一人一人、できることなら一本の木を育てることから始めることだ。あなたより命が短い犬や猫と同時に、あなたより長生きする木を育ててみることだ。希望とは木望だと思う。



0 件のコメント:

コメントを投稿