2025年11月16日日曜日

[8986] 地道

 ●地道
サトリ静寂の中では
言葉も音楽も景色もない。
よく見るとそこを中心に
微細な言葉や音や色が発生する。
発生は密に充満し派手に広がる。
好むものや嫌うものが出て賑やかになる。
豊かな森になる。
森を好むものや嫌うものが出てくる。
でもあいも変わらず元の静寂は根底にある。
地道に。




2025年11月15日土曜日

[8985] びっくり

 ●びっくり
 益子個展の初日。早朝坐禅をし、朝食を買いに。陶器店や食べ物屋が並んでいて活気あるいい感じの街だ。生活の中に陶芸があるから街の人々もセンスがいいように感じる。イヤーいい街だね。
 遠いところなのにたくさんのお客さん。誰かと思えば花てるよさん、山形から5時間かけて来た! 偉い! 大学の同級生が来て、『サトリ』の部屋に入って、出てきて「びっくりした」と言った。





2025年11月14日金曜日

2025年11月13日木曜日

[8983] 火

 ●火
早朝4時
薪ストーブに火を入れる
火を眺めていると心落ち着く
坐禅と似ている
坐禅は妄想が勝手に消えてゆく
火は妄想を燃やし消してゆく
生きるとは静寂にいて
妄想を燃やすことなのだろう
妄想に捕まったら
大火傷





2025年11月12日水曜日

[8982] 言霊

 ●言霊
 展示準備をしている益子から「『言霊猫』がありません」と連絡があった。渡すの忘れたかと思ったが…すぐ見つかった。
 ところで『言霊』だけど、面白い言葉だと思った。良い意味もあるが、本来は「言葉は霊のように存在してない」だと思う。自分を知識で纏い、ひけらかす人がいるが、存在しない言葉をいくら並べ立てても、ないものはない。結果は裸の王様にしかならないと思うね。





2025年11月11日火曜日

[8981] 山川

 ●山川
 個展のDMにした『山川』をもう一度描きたくなった。たまたま源八さんのところにDMを置きに行ったら『山川』いいねと言うからますます描きたい。彼は私の作品を数点コレクションしているが、どれも抜けた感じのものを選ぶ。いい感性の持ち主だと思う。
 この絵は2019年に最上川美術館に展示したもの。ペリペリの中でも実に明確でシンプルな絵だ。今回の個展で『四法印』を言葉にするときにこの絵が大きく役に立った。当時『四法印』など意識しなかったし、今ほど理解もしてなかった。ところが実に『四法印』に当てはまることがわかった。それで今回DMにした。もちろん益子の会場にも展示する。
 そのうちどデカいやつを描こう。朝から晩まで毎日見ている庭の前の山川なんだから。
 さていよいよ個展『サトリを中心に渦巻く世界』が11月15日から始まります。よろしくです。





2025年11月10日月曜日

[8980] 数学

 ●数学
 ユークリッド原論の最初の定義。
第1巻 
・点とは部分を持たないものである。
・点には長さも幅も厚さもない。
・線とは幅のない長さである。
・線には厚さもない。
・線の端は点である。
・面とは長さと幅のみをもつものである。
・面の端は線である。
第2巻
・立体とは長さと幅と高さを持つものである。
・立体の端は面である。
 この定義を存在として考察してみた。この世に「長さも幅も厚さもない」点は存在しない。『数学は「点は存在しない」ところから構築されたものである』ということになる。ついでに「幅のない長さ」の線も存在しない。「厚さがない」面も存在しない。つまりこれらは世界を読み解くための概念であって実際ではない。
 このように定義は存在しないものから始まり、存在しない点を逆から「線の端は点である」とし、存在しない線を「面の端は線である」とし、存在しない面を「立体の端は面である」として、点・線・面・立体の関係性からそれぞれを実在化しているように見せている。つまり点・線・面・立体はそれぞれみな独立した存在ではなく、端のないひと続きの存在なのだろう。
 ならば個も過去から未来への線もフラットな面も実際はない。