2015年4月30日木曜日

[5237] ぶれない

『ぶれない』という言葉をよく聞く。思想的に右とか左に傾むき過ぎることだろう。メトロノームのあの揺れている棒と同じでどっちかに傾いて停止したら壊れたも同然だ。左右だけでなく優劣の上下にぶれるってのもある。バネが伸び過ぎたり縮み過ぎてしまったらもう駄目だ。それから時間、思いが未来や過去のどちらかに偏り過ぎると悩んで病気になる。夢と現実ってのもあるな。どちらかに偏り過ぎると夢は足が地から浮いちゃうし、現実は余裕がなく堅苦しい。
 どっかに傾いたままの思考で生きるということは、背骨が曲がった悪い姿勢みたいなもので、将来いろんな所に病気が出るようになる。だからいつも偏らないように傾きすぎないように心掛けなければならない。
 人はだんだんと『センター』が見えてくるものだ。これがぶれないという事だと思うよ。

2015年4月29日水曜日

[5236] 目隠し

デッキの真ん中に椅子を置いて座る。
デッキの周りに植えたサンシュユが邪魔して、デッキ外のハスの鉢が見えない。
鉢を移動しようとしたが適当な場所がないので、そのままにしておいた。
夜、風呂上がりにまた椅子に座った。
暗い事もあって当然ハスの鉢はみえない。
ハスの鉢がある事さえ忘れていた。
立ち上がってデッキから出た。
そのとき、そこにハスの鉢があり、その向こうにズオウが見えた。
ふと、ここの風景はいいなぁと感じた。
この時、全てをあからさまにするのではなく、やや『目隠し』って重要なんだと思った。

2015年4月28日火曜日

[5235] 池改造

池の大改造だ。
実はこんなに暖かくなったのに、金魚が一匹も顔を出さない。
今年の冬、数匹死んでいたのはわかったが、まさか全滅していたとは‥‥
津久井からわざわざいっしょに引っ越してきたあのでかいワキンも死んでしまった。
原因は深さにあるとみた。
あまりに深いから水底でわけわからんものが繁殖してそうなのだ。
池にコンクリートを埋めて半分以下にするつもりだ。
まずはスイレンを池から出し、水鉢に植え替えた。

2015年4月27日月曜日

[5234] 森

明治神宮の森の発芽したばかりの苗木を庭に植えませんか?
『明治神宮の森は、天然林ではない。今から90 年ほど前に、当時の日本の人々が、明確なデザイン意図と壮大な構想力をもってつくり上げた森なのである』と資料にあった。
面白そうなので貰う事に。
くれた人はワシの『自由自在堂』を読んで、大感動。
「森さんのあの小説は今まで読んだ小説の中でも最高の傑作です」と言う。
聞けばかなりの読書家、三十代。
で、最高は村上春樹の『ノルウェイの森』だって。
そうかアレと並ぶほどに褒めてくれるんだ。
『森』が三つ繋がった。
嬉しいなぁ〜〜〜、小説書いて出版してほんと良かったわ。
ほれみろ、父親め、ちゃんと読めや! 

2015年4月26日日曜日

[5233] 今ここ

崖近くの草をクワで根こそぎ取る。
これは芝デッキの芝生を止めにし、芝生をここに移動するためだ。
半分も終わってないのに手がだるい。
粘土がいじれないではないか!
 ところでワシは自分だけの桃源郷を作っているわけではない。
偉大な目標があるのだ。
木を育て、そよ風を起こし、自由を遠く果てまで運ぶ。
そのうち人々の精神の中にある小さな庭にも日が当る。
終には自由自在な憩いの地球を作る事になるのだ。
 だれだっていつだって『今ここ』から始めるしかないのだ。

2015年4月25日土曜日

[5232] 牛耳

カツラとサンシュユが家の中から見ると曲がって、どうも気になる。
まだ土を被せてないので植木屋のオヤジさんに直してくれるように言ったら、「自然は曲がっているもんだ」だって。
ここは人工的な庭ですよ。
山や海が破壊され、放射能だの軍隊だの番号制度だのと不自由で逃げ場のないこの地球上で、せめて猫や木々や川と一緒に暮らす生活スタイルを、誰かの屁理屈や誰かが作ったシステムに牛耳られたくはない。
けど、植木屋さんワシの小説『自由自在堂』を買って帰ったから良しとしよう。
写真は夕日のモクレン。

2015年4月24日金曜日

[5231] ガキでバカ

庭改造しているところへ父親がやってきて言った。
「あの木はいらねぇな」
ほんとまあオヤジ共はどいつもこいつもなんでこう傲慢なんだろうね。
そんなのほっといて、小説『自由自在堂』を全部読んだらしいので、どうだったと聞いた。
「けづげだなもの、ガキだ。お前バカだ」
おっ! 『ガキ(餓鬼)でバカ』
スティーブ・ジョブズの言葉を思い出した。

Stay Hungry. Stay Foolish.

さすがワシの父ちゃん、最高の褒め言葉だ。

2015年4月23日木曜日

[5230] 美しい未来

今日は庭改造の大掛かりな植栽。
庭に待望のヒメシャラの木が7本植えられた。
ほんの僅かについている小さな新緑が美しい。
芝デッキの周りにはハナミズキ、サンシュユ、ヤマボウシなどを植える。
木を好きになったのが三十代半ば。
それまでまったく木など興味がなく知識もなく、いきなりワシは木に惚れてしまった。
この庭が希望の風景になるには、これから5年10年はかかるだろう。

木は時間と共に美しくなる。

ワシは将来、木になろう。

2015年4月22日水曜日

[5229] 会話

今日は本格的に庭改造初め。頼んだ植木屋のオヤジさんがユンボーで土を掘り起こす。意外や意外、あの頑固者がけっこう丁寧なのだ。感心してしまった。
 午後から一念発起した英会話。いや〜緊張しました。小学生程度の英会話だったけど、来世はたぶん英語をいとも容易く覚えられるだろう気がした。仕事だって英語に怖じ気づかなくなって、国境を越えて幅広く活躍できるだろう、来世ね。
 気付いた事。外人さんとの英会話より植木屋のオヤジさんとの会話の方が難しい。人の脳にはまだまだ隙間がたくさんあるのだが、大人より子供の方が覚えがいいのは、余計なフィルターである既成概念がないからだろうと思う。詰った頭の中のものを語るのもいいが、『学ぶを楽しむ』ことだなぁと思った。

2015年4月21日火曜日

[5228] ウソ

小説『自由自在堂』Amazonレビュー2つ。
「猫作家の先生にこんなハチャメチャな面白い時代があったなんて・・・つい引き込まれてしまいました。かなり刺激的でしたが、当時の深いアート談義・経験が今日に活かされ、自由な発想で次々と独創的な作品を生んでいるんだなぁと思います。芹沢くん、三島さん、朝倉さんに会ってみたいです」
「わじんさんの全く違う面を発見しました。ちょっと恥ずかしかったけど・・・・」
 ワシ、ウソつきだよ。居もしない仏像猫とか空飛ぶ猫とか作っているんだからね。
 そういや川向こうの桜が咲いてないのでおかしいと思ったら、ウソという鳥が蕾を食っちゃったんだって。スズメ目アトリ科ウソ属、ソメイヨシノの蕾が大好物な鳥だってさ。ウソとはすごい名前をつけられたもんだ。ワシは酉年でソメイヨシノが好き、ウソ属の仲間だね。

2015年4月20日月曜日

[5227] スズメ

今年はスズメが多く、家の周りに幾つも巣を作って、ワシの家は猫の館だったはずがスズメの館になっている。
ところで巣はツガイで作るのかと思っていたけど、なんと4、5匹で出たり入ったりしている。
保育園なのかな? 
猫の館を守るピニャモ、スズメが飛び立つ瞬間、あっという間の出来事、捕まえてしまった。
ピニャモにくわえれたスズメはまだ生きていたが、口から外そうとすると噛み締めて、結局殺してしまった。
その後、今度はヨゾがホオジロをくわえて家に中に連れてきた。
上手いこと逃げて、口から外れて飛び立ったのだが、ガラスに激突、気絶かと思ったけど、結局ダメだった。
まったく。

2015年4月19日日曜日

[5226] 見る

Amazonに小説『自由自在堂』のレビューが入った。
タイトル:読んで感じて考える。すると美味しいものが食べたくなる:
『もりわじんは蒸気機関車だ。モクモクと煙を上げて、シュッシュと蒸気をはき、力いっぱいに優しく列車を引っ張る。ガタンゴトン。トンネルに来れば窓を閉めなくちゃならないし、乗り心地だっていいとは言えない。行き先はどこなのか誰も知らないけど、安心していられる。どうしてかって? この蒸気機関車は一生懸命考え、そしてたくさんのことを感じて、回り道をしてもきっと素敵な場所にぼくらを連れって行ってくれるとみんなが信じているから』
 照れます。でも嬉しい。ブリューゲルの『盲人の寓話』にならないようにちゃんと目を開けて進もうと思いました。

 下記はたぶんFB関係なく誰でも見ることができるページだと思いますので、どうぞ。
『自由自在堂』https://www.facebook.com/moriwajin

[5225] インド音楽

いつもの碁点温泉旧浴場で、たぶんとても珍しいライブ。
タブラー奏者『U-zhaan』とサントゥール奏者『新井孝弘』。
いやー、超絶、指が見えない、すばらしいっすね。
二人とも三十代半ば。
二人のコンビがいい。
面白かったわ。
普通は打ち上げなんかに顔を出さないワシが、楽しく参加してしまった。
何十年かぶりにインドを思い出した。
もう一度インドに行ってみたくなった。

2015年4月17日金曜日

[5224] 春

雑草は好きだがギシギシはいらん。
庭にけっこうあるので草むしり。
チェンソーで萩の枯れ木切りをする。
細いヤツをたくさんバリバリではチェンソーも効果が出せずチェーンが外れて巻き込んで、壊れた。
幸い怪我はなかった。
抜いた草を持って腰をあげ、ふと最上川を見た時、すーっと何かが身体を通り抜けた。
久しぶりに心地良い瞬間を味わいました。
 あ〜、春ですね。

2015年4月16日木曜日

[5223] レビュー

ユキヤナギとウメがちらほら咲き始めています。
 時期が遅くなったけど、枝垂れ桜の忌み枝をカット。カットした枝の花芽がついているものをまとめて花瓶に挿して家の中へ。
 さて個展に来た演出家さんに頼まれた作品に取りかからねば。
 昨夜、彼のレビュー舞台のDVDを観た。レビューというのは社会を風刺・批評したものをダンスと歌で表現したものらしい。ワシ、舞台はもちろん映画でもこのようなミュージカル系はほとんど観ることがない。知っている人が出てるとなると、これはもうほんと気恥ずかしくってドキドキして観るのイヤ。最初は気恥ずかしくって指の隙間から映像を見ていたが、だんだん引き込まれ、飽きさせない構成に、プロだなぁとつくづく感心。演出家さん、ちゃんと生きていたんだと思った。

2015年4月15日水曜日

[5222] お知らせ

毎年個展に来ていただいているお客様へ。

「谷中の個展はいつですか?」との質問がありましたので、お答え致します。
今年は谷中の『猫町ギャラリー』のもりわじん個展はありません。
代わりに『北鎌倉古民家ミュージアム』で只今、開催いたしております。
連休に谷中に行こうと計画していた方は、どうぞ北鎌倉へ足を伸ばしてください。
なかなかミュージアムも街もいいところです。
よろしくです。

2015年4月14日火曜日

[5221] 腹痛

風呂上がりタオル一枚でビールにメシ。
 友人から『Face Bookページ』なら小説が知れ渡るよと聞いたので、作り始めたらいつの間にか0時を過ぎていた。見ればお腹が冷えて寒いではないか!  
 夜中、急にお腹が痛くなり、トイレに入ったが痛いだけでなかなかピーが来ない。痛みが増し汗びっしょり、吐き気、とにかく下から出したい。あまりに痛いので目眩がして、出産というのはこんなものかなぁと思った。座っていられずトイレの床に横になった。このまま気絶しそうな気がし、風呂場で横になって下痢垂れ流した方がいいかなと思ったが、それが老人への門のような気がしたので我慢。するとギュルギュルが来た。便座に座って出す。座りながら『馬から落馬』がダメなら『便座に座る』はどうなのだろう、などと考える。横になってはギュル座るを繰り返し30分、やっと開放された。しんどかった。

2015年4月13日月曜日

[5220] 怒り

楽しくお客さんに絵の説明をしていたら、苛ついたのか男性がワシに怒ってきた。ワシ、声がでかいからね。そりゃあ悪いと思って謝って静かにしたんだけど……
 ワシもそうだけど、ほとんどの人は注意の仕方がヘタだと思う。怒るところでもないのに、言い包められたら負けと思うのか、最高点に達した怒りを持って常識を振りかざし攻撃してくる。怒っても収まり切らなきゃ、家に帰って奥さんや子供に当たり散らす。怒りを植え付けられた子供はウサギや猫を苛める。それでも収まらず、とうとう外に出て車で人を轢いたり、他所の子供を殴ったりする。怒りは止めどなく蔓延して戦争になる。
 自分を正当化する理屈を考えないで、場を見よ、楽しくなることを思ってみよ。たとえば穏やかな沖縄のおばあのように「ハイサイおじさん、静かにしましょうね」。例えばバカボンのパパのように「静かにするのだ。それでいいのだ」とかさ、なんかあるだろう。これがチャンスと思って、カッコいいこと創造してみい! 拍手喝采かもよ。

2015年4月12日日曜日

[5219] 絵描き

個展二日目。最近はみなさんに絵を褒められる。
 去年の東京での『道化』のポスター絵で何かヒントを見つけ、その後それが成長し瀬戸や上海まで続き、今年の瀬戸で『眼差し』という目を中心にした絵になり、小説『自由自在堂』の表紙で耳が影になり、今回の個展で猫の全身像が自由に描けるようになった。
 22才から本気で絵を描き始めて35年、やっと絵に対するマイナスを克服し、自分の描きたいものが描けるようになったと思う。
 自分で言うのもなんだけど、ワシは『絵描き』に成ったよ。

2015年4月11日土曜日

[5218] 初日

個展初日。
たくさんのお客さんに来ていただきました。
これまで何度も何度も個展をやってきたんだけど、いつまでも慣れないもんで、初日は妙な緊張感がある。
大きく胸を張って深呼吸し気合いを入れる。
小説『自由自在堂』をみんなにプレゼントすると10冊まとめて買われた方がいた。
これ読んだら、みんな恋するし、夢を抱くし、妊娠するし、悟ってしまうから、これで日本は豊かになるだろう。
写真はドイツからのお客さん、みなさんダンケシェンってことで。
明日もいますので、よろしく。

2015年4月10日金曜日

[5217] おめでとう

小説を書いて本にしたってことは、とてもおめでたいことのようだ。
 たくさんの人に「出版おめでとう」という言葉をもらう。今まで絵を描いても粘土作品作ってもすごい大作出しても「おめでとう」と言われたことなどない。本としてはワガジン1号『春フタタビ』や二号三号の作品写真集なども出したことあるのに「おめでとう」と言われない。小説ってのは面白いものなんだとしみじみ思った。
 あ〜〜、そうそう、おめでとうと言えば誕生日ってのがあった。
 今回の個展ではいつもの誕生日猫を出しましたが、中に新作として『おめでたい』というおめでたい猫もいますので見てくださいな。
 明日から個展始まります。よろしく。

2015年4月9日木曜日

[5216] 搬入

今日は搬入展示、いざ北鎌倉へ出発! 
数日前から、新幹線での弁当とビールを思い浮かべ楽しくなっていた。
これがあるから新幹線に乗るといっても過言ではない。
食べたら東京駅に着くまで寝て、着いたらもう目的は果たし帰りたいくらいなのだ。
旅の醍醐味の半分以上はこの弁当だね。
まあ展示だし、仕方なしに東京駅から一時間かけて北鎌倉へ。
昨日包んだものを広げ、バタバタと展示風景を作る。
ん〜、どうなるかと思っていた風景もそれらしく見えてきた。
これでやっと個展気分だ。

2015年4月8日水曜日

[5215] ポツン

バタバタと作品の梱包。
新大作『鎌倉阿弥陀仏猫』という鎌倉の大仏の猫バージョンを依頼されて作ったので大変、と言っても大仏みたいにあんなにデカくはない、けどワシよりデカい。
それから狭い空間でチマチマちっこい作品を展示してニヤニヤしているのが好きなワシには身の程知らずの美術館というかなり広い空間。
一般的な真っ白い空間であればポツンと展示すればそれなりに見栄えはいいんだけど、古民家だからポツンじゃつまらん。
賑やかに民芸っぽい方が楽しいわけだ。
だから作品点数が多い。
普段こんなに慌てて作業などしないので、もう腰は痛いわ、そこらじゅう筋肉痛。
写真:ピニャモの顔がない!

2015年4月7日火曜日

[5214] 先生

小説『自由自在堂』の書評。
「小説まじで面白く読んでます。各章ともおもしろいけど、花見の話し好きだな。芹沢くんカッコいいね。漱石の『それから』っぽい雰囲気も感じる。自分を『自由』に向かって解放する試み、いやはや、楽しい」と高校の国語の先生に言われた。生まれてこのかた国語の先生に褒められたことなんてないし、夏目漱石を意識なんてしてないのに、尊敬する漱石さんが出てくるなんて、嬉しいではないか。
 ところでこの先生、インドを半年かけて自転車で横断、その後チェニジアに2年、その後カンボジアに3年も住んだ経験を持ち、英語とフランス語が喋れる国際派なのに、国語の先生なんだ。だから少々イカレているかもね。
 写真はこの先生モデルの天上天下唯我独尊ポーズ。4/8はお釈迦さんの誕生日の花祭りだよ。

2015年4月6日月曜日

[5213] 不自由

自分の小説『自由自在堂』を読んでいて思う。
活字になると自分が書いたものでない感じがする。
どこか遠くに住んでいて、自分とずいぶん近しい感覚を持つ人の小説を読んでいるような。
読んでいて、タイトルにあるように、これで自分も自由になれるような気がした。
そうそう、では他人を汚い言葉で罵ったり、怒って人を寄せ付けなくしたり、妄想で悪魔が来ると怯えたりと自分の心の世界を二分して狭くしている人、それは不自由だ。
不自由な心で考えた思考もやはり不自由だ。
この本を読んで、少しでも『自由』を垣間見てくださいな。
(目を覚ましてくれればいいんだけどなぁ〜)

2015年4月5日日曜日

[5212] にゃおん精舎

まったく頑固で職人気質の植木屋さんが、ここにはシャラノキはダメだと言う。理由を聞いて、なるほどと納得して、植木屋さんの勧めるカツラにしたが、やっぱり庭のあそこにカツラは似合わない。ワシ、ハゲだけどカツラはダメだ。やっぱりシャラノキだ!
 そこでトイレで考えた。人間はビルの屋上にだって木を植えるし、砂漠にだって植えようとする。ここに植えられないわけがない。ハッと閃いた!
 忙しいけど、暖かくなったら庭木の移植が大変。しょうがない、植木屋さんに来てもらって、頑固者には言葉が通じないのでドキドキしながら、ワシのアイデアをイラストにして勇気を持って見せた。どうだ! 植木屋さんは言った。「もっといい方法があるよ」だって。先に言えよなぁ。少々金がかかりそうだが、大好きな庭に好きな風景を作るのにケチってどうする。ワシはここに『にゃおん精舎』を作るのだ!

2015年4月4日土曜日

[5211] 結婚

個展前で心が亡くなっているところへ「私たちをくっ付けた張本人があなただから結婚届の証人欄に名前を書け」と二人がやってきた。イヤだと言ったら『自由自在堂』を買うと言うので、それならと仕方なしに書いた。
「庭に立っている杭はなんですか?」と聞くので、木を植えて庭改造だ。「え! パーティができなくなるの?」と。去年までは賑やか騒ぐのが好きだったが、急に醒めたのだ。これはずいぶん前にも経験したことがある感覚だ。二十年以上前のバブルの後だ。つまり今年はバブル後なのだ。泡になる前に弾けちゃったのかも。賑やかだったあの頃は過ぎ、これからは夫婦水入らずで木陰でのんびり美味いワインでも飲める日本になるわけだよ。よければ庭の木陰でその本読みながら子作りしてもええよ。

2015年4月3日金曜日

[5210] 英会話

ワシこう見えても世界20各国以上もバカな旅をしてきたし、NYには半年も暮らしていた。それなのにだ。昔、外国で「hot coffee」を頼んだらホットドッグがでてきたし、この間は上海への飛行機で「water」が通じなかった。ワシは国外で水もコーヒーも飲めないのか。そして三日ほど前、家にフランス人が来たのに、まったく何も喋れかった! これはもはやトラウマもしくはウマシカかもしれない。まさかこの自分のコンプレックスを棚に上げて、富士山ジャパンは偉いなんて思い込み、他国の悪口言うのはそれこそ大和魂に恥じる。それにもし万が一だ、『自由自在堂』がノーベル文学賞とったらスピーチができないではないか!
そこで一念発起、英会話教室に通うことにしました。
英語ペラペラなるぞーー
SS「薄っペラペラっすか」

2015年4月2日木曜日

[5209] シャラノキ

この間、酒屋さんにとても木肌が美しく気になる木があったので種を貰ってきた。
 ナツツバキだった。
 昔、ヒメシャラが好きになり、屋久島では屋久杉に混じって林立するヒメシャラをたくさん見た。庭に植えようと思ったが、なぜかいつも実現しなかった。このナツツバキとはヒメシャラより花が大きいシャラノキのことで、シャラとは、あの平家物語の沙羅双樹のこと。朝に花咲いて夕方には散ってしまう一日花。調べたら釈迦が亡くなったところにあった木らしい。庭に7本追加することにした。
『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす 奢れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し 猛き人もついには滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ』  
 無常っす。

2015年4月1日水曜日

[5208] Brahnyan

個展案内、タイトルは『Brahnyan:ブラフニャン』
 古代インド哲学では宇宙の根本原理のことをブラフマンといい、自分の最も内側、個の中心をアートマンという。このアートマンとブラフマンが同一であることを知る。これが至福に到達する道なのだ。極みっすね。そこで今回の個展は『ブラフニャン』としました。
北鎌倉古民家ミュージアム1F
神奈川県鎌倉市山ノ内392-1
(北鎌倉駅東口徒歩二分)
4月11日 (土)~5月18日 (月) 9:30~17:00
(4/11日、12日,  5/4日、5日、6日、いる予定)

問合せ先:0467-25-5641
美術館ですので入館料:一般500円/中高生300円/小学生200円

◆大作『鎌倉阿弥陀仏猫』を展示します。