2014年10月31日金曜日

[5056] 窯出し

今日は窯出し。割れずに一安心。
 上海行く前に薪割りやら年末の展示用作品制作やらで、かなり忙しい。忙しいと言っても一日は24時間しかない。一つ一つやるべきことを着実にこなせばいいわけで、それ以上はやれないだけだ。

2014年10月30日木曜日

[5055] 深い

10/26の絵日記を『深い』と褒められたので、なぜだろうと考えてみた。
 植物の深い根っこに繋がるからだろうと思う。植物は日光や空気や土の栄養を吸収し、根は大地に深く入り込み、幹は大気に向かって高く伸びる。大自然と共鳴し全身を大自然に開放し一体化している。
 ところで人間はというと服を着て靴を履きアスファルトの上を歩く。エアコンのきいた車に乗ったり建物の中にいる。大地からも大気からも分離し、遮断し、知の科学文明という檻の中に引き籠ろうとしている。
 植物は動物のエサというだけではない。人間は巨木に神秘性や畏敬の念を感じる。時に人間のなにかしらの言葉が巨木の深い根とシンクロする時、『深い』と感じるんだと思う。言った方も聞いている方も引き蘢りの檻を出て、精神は元々の大自然の大地や大気に開放される。

2014年10月29日水曜日

[5054] 日本人

山のような薪を見ながら思った。
 日本人って何?
 「ワシが理想の日本人じゃ!」
 日本の皆さん、もし進む道に迷ったら、理想の日本人であるワシの生活を思い出してください。思い出すだけでオーケーっす。道は自ずと見えてくると思いますよ。
 日本人の展示会の告知です。
●「赤塚不二夫トリビュート展 みんながみんな猫にゃのだ !!」
会場:青梅 赤塚不二夫記念館
会期:2014年11月5日(水)〜11月30日(日)
開館時間:午前10時~午後5時
問合せ先:0428-20-0355

2014年10月28日火曜日

[5053] ウンコ

ピニャモが洗面所の洗面器にウンコ、トイレの洗面器にシッコをし始めた。いちおう防御として金網を被せた。
 ピニャモがこういうことをするのは外が寒くて庭で用を足せないからだ。中のトイレはピニャモにとって他の猫の縄張りのようで不安なのだ。特にマッピョが見張っているからな。
 ピニャモの気持ちがワシに分らんでもない。ワシも小学生の頃は学校のトイレが嫌いだった。今も駅のトイレや他所んちのトイレでのウンコは避けたい。やはり家のトイレが落ち着く。
 ところでピニャモがこれをやり始めたってことは外の植物を中に入れる頃ということ。ということで、体育館の階段を家の中に入れ、植物を剪定、冬支度でした。

2014年10月27日月曜日

[5052] 粘土

朝はチェンソーで玉切り。父親の持ってきた丸太がうちの薪ストーブよりちょっとだけ大きいのだ。ちゃんと寸法言ったのに、案の定間違えてる、まったく、ガクッ。
 昼から粘土の実験報告をしに風呂道くんのところへ行く。この地方の山からは珪砂が採れるらしく、その残りかすが粘土なのだ。それも精製して捨てるっていうからもったいない。
 ところで一昨日からこの粘土を試しているのだが、ハッキリ言って猫の造形には向かない。水っぽく丸みが出にくいので可愛くないのだ。この粘土は、あの高級な萩の粘土に似てなくもない。ブルーノさんが器作るのにこの粘土を使っている。器などのロクロものには最適なんだろうな。ん〜、山ほど採れる材料なんだから、この粘土をなんとかしたいんだけど。そこで自分の今までのいい粘土と混ぜてみた。なんと! ややいいになった。そりゃそうだ。別に面白くもないわな。
(写真:この角度からの家いいな。ワシの家は猫でオプラートに包んでいるけど、実は屋根と壁に新しい試みをした設計なのです)

2014年10月26日日曜日

[5051] コップの水

写真はおしめの交換ではないよ、バブバブ。
 粘土の大作が思ってた以上に早く乾きつつある。これは今のうちにやらねばと中身の粘土をほじくる。ほじくらないと焼いた時に爆発するのだ。作品が大きいので時間がかかる。普通ならのんびり一日がかりの仕事なのだが、今日は他にやることがあるので焦る。
 終わってふと思った。『のんびり』ってのは世知辛い働きアリの日本人には大変いいものと思っていた。しかしたまには時間に追われる『せわしない』ってのもいいと。余計なこと考えないし、テキパキと事を運んでいくので、無駄がなく、充実した時間を過ごしているような気になる。
 しかしあくまで、たまにだ。これがいつもになると心に余裕や空間がなくなる。
 心の空間とはコップの水と似ている。コップにいつも水を満たしていたら、水はそのうち腐って飲めなくなるし、空にならねば他の新しい感覚の飲み物が飲めない。

2014年10月25日土曜日

[5050] シンフォニー

ダメだ! 今日は死んでいる。ここ数日気持ち悪かった、目は窪む、吐き気、目眩。
 いつの頃からか自分の身体はウンコが溜まっていると目が窪み目眩がするから、こういう時はウンコだと、たっぷりウンコすれども、まだ気持ち悪い。思い起こせばこの原因は五日前の難儀の薪割り。
 今日もいい天気、薪割りしたいが、止めてチェンソー仕事に変更。出されたものは全部食わないといけない性質、腹いっぱいなのにだ。溜まっている薪は割らないと気が済まない性格、薪はもう十分あるのにだ。バカだね。過労死という言葉がある。こんな薪割りが数日続いたらあり得ないこともない。
 汐の満ち引きがあるように、四季があるように、休息と活動、睡眠と覚醒、この環境にも我が身体にも人生にもリズムがある。それぞれのリズムがあるからシンフォニーがある。過ぎたらリズムが乱れる。辺り構わずガンガンシンバル叩いたらうるさいだけだ。ほどほどにです。寝るわ。
  写真の中に猫がいるよ。

2014年10月24日金曜日

[5049] テレビ

今日はテレビの撮影。YBCピヨ卵ワイドという番組内、山形大学で先生をしているドイツ人の『グリンダさんのニッポンDAISUKI』というコーナー。来週の金曜日の夕方5時から6時の間に放映。
 猫の形の家に住む変わり者の猫作家と猫の話し。まあグリンダさんも猫好きということで話しは生猫の話しで始ったけど、庭に出た時に池の縁に置いてある三つの傘地蔵猫の話しをしたら、意外と食いついてきた。
 写真の傘地蔵猫は黒と白と黄土色の三体、つまり黒人・白人・黄色人の比喩。ここまではフムフムそういう狙いね、ぐらいのこと。そのあと、この三つの色を併せ持っているのが三毛猫。うちのピニャモだ。三毛猫は地球上の人間全てを表現しているにも拘らず、日本=ミケとなっているから、日本は面白いとなる。うまいことグリンダさんの日本大好きと繋がったわけですな。ってことでした。

2014年10月23日木曜日

[5048] 一歩進

一句『腹筋が割れるほど痛い筋肉痛』
 筋肉痛もやや引いてきたし、すこぶる快晴なので、薪割りだ。
 絶対割れないと諦めていた薪をクサビで割る。クサビのおかげで薪割りにかなりの自信が付いたけど、もともとオノで割れにくい薪なので、クサビだからって言ったって、そう簡単ではない。クサビを打ち込んで、ガンガンとオノの背のハンマーで叩く。(ワシのオノはハンマーが付いている特別優れものなのだ)。クサビはねじ込むような形をしているので、ドンドン割れ目が広がる仕組み。
 途中手を休めて薪を見ると、バキバキバキと小さな音をたてている。すると間もなく、とてつもない大きなバキッという音をたて、薪は二つに分れ、クサビもろとも吹っ飛んだ! なんてね、ウソ。
 薪を5つほど割ってもうヘトヘト。震える手に筆をもち絵を描く。薪割り作業がクサビで一歩進んだせいか、絵の方も今までより一歩進んだのができた。
 ということは、ワシの頭も感性も一歩進んだんだと思う。

2014年10月22日水曜日

[5047] 未来

上海のチケット取ったら、ワシの内部が面白い。生きているって感じさ。
 数年前、フランスやイタリアで展示があったとき、行くぞとなってイタリアの本を買ったり、けっこう前向きだったが、自分は引き蘢りだからとか、忙しいからとか、変な言い訳を作って行くのを止めた。
 今回上海行きで思った。何でもそうだけど、言い訳ってのは『過去』だなぁと。行けない理由をドンドン思いつき、自分はこういう人間だからと、自分を言葉で殻に閉じ込め、生きている自分を死んだ過去の情報で殺そうとする。もったいない。君は君が思っているほどつまらなくはない。可能性大有りさ。自分の性格や性質だって過去の情報でできていると思うよ。
 まあそれはそれでいいだろう。でもとりあえず過去は放っといて、たまには面白い目的持って、『未来』に向かって生きてみようぜ。ワシの場合、のんびりだが、また世界を回るつもりだ。今度は猫でね。猫で世界制覇も夢でない。

2014年10月21日火曜日

[5046] 自由自在堂

やっと完成したぞ!
『自由自在堂』とタイトルをつけた『半自伝的アート論小説』、原稿用紙でだいたい500枚弱かな。アートに付いて自分の考えや大学を卒業して猫を作るまでの12年間の修業時代を面白可笑しく真面目にウソ偽り散りばめ小説風にまとめた文章だ。
 数年前に書き始め、紆余曲折右往左往、さまざまな苦労がありました。ワガジンを作ったおかげで、本を出すことに対して、精神的にあまり大きな壁にならなくなったのがよかった。ワガジン1〜3とはかなり趣向が違うので、新たな試みとして装填デザインを新庄市でのキトキトマルシェを企画した吉野さんに頼むことにした。何度か吉野さんのデザインしたものを見ていて気に入っていて、会った人柄も実にいいので決めたわけです。とりあえず『ワガジン4』ということで来年個展でお披露目します。よろしく。

2014年10月20日月曜日

[5045] クサビ

さてと薪割りだ! スパスパ割って割って割りまくるぞー
 と、初めが肝心なのに、最初の薪が割れない。10回以上も全身の力を込めて斧を振り下ろしたが、なんも。割れそうな薪に変えても割れない。この木の目が詰まり過ぎているのか、乾燥しているのか、マイッタ。無駄にどっと疲れてしまい目眩がする。椅子に座って、薪見ながら考えた。
 知り合いの薪ストーブ持ちはほとんど機械で割っている。ワシも機械かな。しかしなぁ、斧で割った時のあの爽快感はない。機械の置き場所もない。ん〜
 そういや、近所の家族で窯やってたとこの奥さんが「薪割りはあたしの仕事で、クサビ二本あったら割れない薪はない」と言っていたことを思い出した。クサビが一つあるのでやってみたら、割れた。なるほどこういうことか! あら爽快! クサビってすごい! もう一本クサビを買おうっと。

2014年10月19日日曜日

[5044] 空間

今日は午前から、アーティストUsaginingenを新庄のキトキトマルシェごはん祭りに連れて行く。いろんな人にワシが好きなUsaginingenのライブを見せたいのもあって、山形ツアーでライブができる空間見学のつもり。
 新庄のここは養蚕試験場跡で80年前の建物。敷地も広くとてもいい雰囲気のところだ。ワタノハスマイルで一躍有名になったトモ君が去年やった個展会場が面白い。
 次にライブとは無関係だけど、フランス人の陶芸家ブルーノさんとこに連れてゆく。明日から東京で個展で出かけるというのに、コーヒーをご馳走してくれた。15年かけて、未だに作り続けている家に感動。
 そのあと風呂陶芸家高橋さんのアトリエ円形小学校見学。この間体育館でマサイ族のライブをやった、ここも面白い空間だ。
 来年はこのような変わった空間でもライブパフォーマンスをしてもらいたいね。

2014年10月18日土曜日

[5043] Usaginingen

今日は近所の行きつけの碁点温泉で温泉入り放題&ライブ。
 旧浴場はもう温泉としては使われてないので、取り壊しの話しも出ているのだが、百年は壊れない頑丈なRC構造でタイル張りの洋館のような美しい建物。取り壊しなんてとんでもない話しだ。それに日本初のクアハウスでとても珍しい浴場なのだ。別に手直しなどしなくても十分美しく渋い。
 今日はベルリン在住の『Usaginingen』という映像と音のパーフォーマンスというか、なんていうか、どこにもない、オリジナリティとはこういうものを言うのだろうと感心してしまう男女二人組。これこそアートですね。他にミュージシャンが数組。
 今日のライブで刺激を受けたお客の中から、ここで何かやりたい声がたくさんでていた。やらずに考えても何も生まれない、こうやって一度やってみれば次が見えてくるわけですな。
 UsaginingenはYou Tubeで見てくだされ。生がいいけどね。

2014年10月17日金曜日

[5042] 湧き水

ここ最近お客が多かったので、心が忙しなくなっているようだ。
寂静を身体に入れに、紅葉の季節でもあるので、山に出かける。二十代は紅葉など見えなかった。見えても表面の色彩ぐらいだった。ワシの紅葉の最高の感動は40歳ぐらいの時で、身体の奥深くで紅葉とシンクロした。自分でも驚くほど紅葉と一体化した。自分が紅葉なのか、紅葉が自分なのかの境界がなくなるような感動を得て、庭にいろんな紅葉の木を植えまくった。
 今はあの時の感動をただ追いかけていることが多い。それでは唯見たってだけでツマラナイ。そこで目を閉じ、精神統一し、大きく息を吸い、吐く。すると思い出や未来への願望などを吐いてしまって純粋を吸うのか、目の前の今、その紅葉と一体化する。
 さて念願の湧き水好きがここのはすごいと絶賛する水を汲んで持ち帰り、コーヒーを飲む。まろやかっす。

2014年10月16日木曜日

[5041] 奥詣り

写真家のNさんがやって来た。
「西の伊勢詣り、東の奥詣りってのがあるんです」とNさんは言った。
 いったい何のこっちゃと山形に住んで5年にもなるのに山形知らないワシは思った。伊勢には作品を展示していて、もう飽きるほど出かけているから、伊勢詣りは解る。問題は『東の奥詣り』? 山形にある月山・羽黒山・湯殿山をあわせて出羽三山といい、大昔からの霊山で修験者の山岳信仰の対象、人出もすごいらしい。伊勢神宮が天照大神を祀っていて、つまり太陽の神様だ。出羽三山の月山は月読命、名の通り月ですね。二つ合わせて『太陽』と『月』。今で言うところの強烈な二大パワースポットなわけだ。まあこれら二つを愛らしい神秘的な猫で結んで、開いて、手を打って、楽しいよ、って話し。ふ〜ん、一度、出羽三山にいかなきゃね。

2014年10月15日水曜日

[5040] 演出家

昼飯食っていたら、玄関先に高級車が止まった。あのような車に乗るヤツは悪いお客だと思って、顔見たら、なんと! ガキの頃の友人だった。やはり悪だった。ワシが心の中の砦に隠していた三悪人の中の一人だ。
 彼はミュージカルでもダンスでもない『レビュー』なるものの演出家をしているという。しかし思いもしなかったことをやっていたもんだ。
 数年前偶然、ネットのワシを発見。ワシの日記を隅々まで見て、こんな暮らしはみんなの憧れだと言う。それに薪割りやら雪掻きなどワシをスーパーマンとまで褒め讃えてくれた。有り難いお言葉だが、当の本人はあるときひょんなことから猫に選ばれたわけで、でも縁あって選ばれたのなら、どうせなら、ここからはワシの意志ね、どうせなら知ったアートの技術や概念をつぎ込んで、できうる限り猫の世界を育て広げ発展させよう。とことんやってやる! あとは野となれ山となれ、だったけど、今日も薪運びでヘトヘトっすよ。発展は厳しい現実です。

2014年10月14日火曜日

[5039] 代筆

父親の自叙伝の校正も終わり、代筆してくれた伊藤さんを呼んで直しを頼む。彼女は児童文学賞かなんか取ったことのある人で、笹巻きを作って売っている人。この笹巻きが美味いんだ。たまたま近所の人で、文章書きがこんな田舎にいるとはビックリしたもんだ。あのわけの分からん父親の文章や話しを纏めてくれるよう頼んだら、快く引き受けてくれたのだ。
 父親だが、86歳なのに、こんなにちゃんと昔の記憶があるもんだとつくづく感心した。でもよくよく考えてみれば、彼は仕事のことは毎日日記をつけていたのだ。偉いと思った。その影響でワシも小学5年生から日記をつけているんだけど、二十代絵を描いていた頃、たまたま学生時代のを読んだ時、いったい何のためにこんなもの書いていたのだと疑問、胸くそ悪くなって学生時代のは全部燃やしてしまった。絵を描いていた時は真直ぐだったからな。こうやって父親の自叙伝を見ているとけっこう大事なものかもしれないなどと思う。
 しかしワシの日記は事実とかけ離れている上、内面のイメージのウソアホスケベが多いから、自叙伝には不向きかもね。

2014年10月13日月曜日

[5038] 変動


今日は台風が来るらしい。朝は雨が降る前に薪の移動。ちょいとやり過ぎ。倒れそうなぐらいヘトヘトなりながら思った。
 世間の与える幸福が欲しいから、不幸に見舞われるのではなかろうか? 
 世間に幸福を求めたりしなければ、世間の浮き沈みや変動に巻き込まれることもないだろう。巻き込まれてもいた仕方ない変動とは、季節の移り変わりぐらいだろう。まあ、自然に気を赦していると災害に遭うから慎重にならなければいけないけどね。
 自分の幸福は、世間が与えてくれるのではなく、自分の内部にある種に自分が栄養を与えて育てるのだと思うよ。

2014年10月12日日曜日

[5037] ポスターペインティング

さて上海用の絵も立体もできあがった。
 絵は『ポスター・ペインティング』と名付けました。昔、ペタペタ絵を描いていて、今ひとつ満足ゆかなかった。35才で猫に指名されて断れず、猫アート界の家元になってしまい、絵はとんと隅っこに引っ込んでいた。
 ところが春の個展で絵というよりは気軽な猫のポスターっぽい絵を描いてみた。これが意外と楽しいし評判もいい。それがトントン拍子に上海に出すことに決まった。上海でどうなるか解らんけど、どうせ発表するならもっと自由なのを描こうと思い、描いているうちに、やっと満足を得たような気がする。数十年ぶりかも。やっているうちに乗り越えちゃうものなんだなぁと思いましたさ。絵にノーベル賞があったら、これで貰っていたね。なんてね。
 写真はその絵の部分ね。全体はやはり本物でみてくだされや。

2014年10月11日土曜日

[5036] 接吻

薪運び、まだまだ残っているけど、吐きそうなほど疲れたので温泉へ。サウナ入ったら、ますます吐きそうになったので、帰って寝る。
 起きてコーヒー飲みながら、父親の自叙伝の後半を読む。
 いろいろ商売の苦労話があって、成功とともに女にもてた話しが続いた。
「彼女は身の上話しを始めた。……中略……上品でお嬢さん育ちのようなその人に心そそられた。二人とも酒が入っていた。触れ合う肩と肩、ちょっと引っぱれば、もたれてくる。自然と唇を重ね合わせた。……」
 うっ! 吹いたと同時にとうとう吐いてしまった。
 言うに事欠いて、唇を重ねだと! 恥を知れ恥を、この糞オヤジ! 成敗してやる! あ〜ぁ、読むんじゃなかった。

2014年10月10日金曜日

[5035] ……ク

秋晴れっす。早朝は寒いが陽も上がる頃には暑い。風が冷たいので寒暖のコントラストがカルカッタに『フラッシュバック』。
 午前は薪運びです。やけにキイロアシナガバチが薪周辺にいる。このハチは小さくてなんでもないように見えるが、神奈川に住んでいた頃、数カ所刺されて呼吸困難、『アナフィラキシーショック』。
 ハエたたきを持って颯爽とこのハチに立ち向かうが、他のハチと違って動きが読めない。なかなか手強い。呼吸を整えハチの行動を読む。やっと読み切った。なんてね。『クダランジョーク』。

2014年10月9日木曜日

[5034] 光

久しぶりにジョギングをやる。途中ガールズ農場に寄る。富山から来たガールズ旦那がいたので、この間のごろつき市で食べた『里芋プリン』がとても美味かったことを伝えた。この旦那は三十代半ば、横国大では心理学を学んだという。
 世の中商品はたくさんあるけど、何がどうなって世界中が知るところの人気商品が出てくるのか誰も知らない。みんな苦心してその方法を知ろうと情報を探る。しかしたとえ人気が出たとしても、すぐに消化され、次のヒット商品に悩む。
 ところでワシは世界ネコカルチャー推進会CEO(cat enjoy omatsuri)だけど、なぜネコ民芸やネコアートが世間に広まったのか、これからヒットするネコ作品などもまったく解らん。
 心理的に一つだけ言えるのは、ネコをやり始めた当時、ワシは『自分の精神の中の弱いつまらんヤツにいっぱい光を当てた』ような気がする。

2014年10月8日水曜日

[5033] バッグ

上海一週間行くのに、気軽にいつも持ち歩くバッグを買おうとネットで探しているのだが、迷って迷ってなかなか決まらない。小さいリュックはいちいち開けるのが面倒。前にくるっと回して開けるのが楽なボディバッグがあった。しかしパソコンが入らない。入るヤツはやけに背中がでかくなる。パソコンは機内持ち込みにしなければいけないだろう。ならばショルダーバッグでいいやと思ったが、何故か気に入るのがレディースものばかり。ワシ、おばさんかしら?
 ア〜、全然決まらないまま時間が過ぎる。ア〜面倒! 頭痛い。
 昔を思い出してみる。国外なんて荷物はほとんどなく手荷物一つで身軽だった。金・パスポート・薬、それにパンツが三つ、靴下三つ、シャツ三つ、厚着一つ、あとは着ているもので一ヶ月以上充分だったような。なんか最近は国内でもなんやかんやと多い。家では一週間同じもの着てるくせに。よし、初心に返って再考だ!

2014年10月7日火曜日

[5032] 生活

昨日とは打って変わって、夏!
  伊勢に行く前に、もう必要ないと思って、テント屋根は外してしまったので、日射しがクソ暑い。でも朝食ぐらいはいつものように庭で寛ぎたい。これがワシのハイセンスな猫的美的生活なのだから。そこで今年一回も使わなかったパラソルを広げる。なかなかいいではないか!
 さてとここからは寛ぎとは正反対の難儀。薪割りのための準備だ。玄関側に積んである薪を庭に運ぶ。薪は3山あるんだけど1山ちょっとで大汗ヘトヘト。しんどいけど、これがワシのプリミティブに根ざした自然体生活なのだから。ワシは世間の毀誉褒貶や俗欲に流されたくはない。汗水鼻水流して自分が完全に無くなるまで自然に溶け込むのじゃ! 土や川や空気になるのじゃ!
 世間からは『ホメラレモセズ クニモサレズ サウイウモノニ ワタシハ』なってやる。

2014年10月6日月曜日

[5031] 月下スイレン

台風の影響で、朝から雨降りメチャ寒い。冬が来たみたい。
 昨夜は床暖房のスイッチでも入れようかどうか迷った。うちの床暖は夜中に床を暖め、その余熱で一日中暖かい仕組み。だから今が寒いからとスイッチを入れてもダメ、前の日にスイッチを入れないと意味がないのだ。去年の記録を調べたら床暖は10月中旬以降、まだ早いと見送った。
 ところが今朝はやけに寒い。スイッチ入れればよかったと後悔。うちは床が石のようなタイル、アトリエはコンクリートなので、見た目も触っても冷たい。しょうがない、服いっぱい来て今日は過ごそう。明日は台風も去り、暖かくなるらしいから、とそんなこと考えながら目の前を見たら薪ストーブがある。外見たら、雨風の中に乾燥した薪がある。完全に薪ストーブのことを忘れてました。
 そこで久しぶりの薪ストーブ。いいわ、温いわ、このホッとする感覚はなんじゃろね。おかげで仕事も進んださ。
 夜、風呂上がりに月が出ていたので庭出たら、なんと! 月下スイレン。

2014年10月5日日曜日

[5030] イメージ

亀吉は庭で意外と簡単に見つかった。一安心。
 腹減ったので早めに『ごろつき市』に行く。食い物はすぐになくなる。「腹が減るのが困る。腹減りすぎたら死ぬ。なら奪う。奪えば敵。自分が死ぬのは嫌だから敵を殺す」
 いろんな負のイメージがある。例えば敵、飢餓、不快、恐怖、憎悪、苦悩など、思いつくものいっぱいある。これらの負のイメージの行きつくところは『死』だ。『死』は『負のイメージ』の頂点に位置する。『死』はオシマイで回避できない。だから生きていての諸問題は『死』ではなく、その前の『負のイメージ』だ。この『負のイメージ』を『正のイメージ』に変換すれば問題は解決する。
 ちょいと端折るけど、救いがあるとすれば人々から愛される人間に生まれ変わることだ。それには今生の過ごし方が重要なカギとなる。その方法を考えた。それは意外と簡単だった。
 腹減るものには、なるべく知らんぷりして、おにぎりでも与えればいいのだ。

2014年10月4日土曜日

[5029] 亀吉

ワシの身体は回復したのに、亀吉がいない。
 銀座の展示会に出品する作品の梱包。段ボールやプチプチなどを倉庫から出し入れするので、アトリエのドアを開けっぱなし。亀吉のことをすっかり忘れていた。隙を見て家から出て行ったようだ。あののろのろが意外と盲点で、前の家では庭をぐるっと網で囲って飼っていたので、よく眺めていた。それなのに見失ってしまうこと多々あった。人間の脳は集中力が無く、見ていても数秒ごとに意識が浮遊しているらしい。その意識の浮遊している時、うまいタイミングで亀吉は方向転換をしたりするのだ。だから亀吉が進む筈だと予想したところにはいない。(人間も亀と同じで予想通りいかないと思うね)
 仕事していても思い出し気が沈む。ヤバイなー、雪が降ったら死んじゃうかも。
 亀吉はこの家に住んでいて幸せだったのだろうか? 猫のように甘えることも無く、唯うろうろしてエサ食っているだけ、仲間もいない。暖かい生まれ故郷に帰してやった方が良いのかもしれないとしみじみ思った。
 亀吉ーーー、明日探してやるからな!

2014年10月3日金曜日

[5028] てあて

あぁ〜〜、調子が悪い……お調子者なのに。
 父親の自伝ができ、校正してくれというので、このクソ忙しいが仕方なしに読んでみる。半分ほど読んで目眩がしたので止めた。この糞オヤジよりは長生きせねばならないなぁとしみじみ思った。病院などで寝ていたら、来なくていいのに、毎日見舞いだとやって来ては心配顔され、何言われるか知れたものでない。弱虫、情けない、クズだのと、傷口に塩を塗るような励まししかできないオヤジだ。そんな言葉聞いたら尚のこと具合が悪くなる。ワシはデリケートで、静寂を求めているのだ!
 写真の作品は『てあて』というタイトル。頭も身体も大きな優しさに手当てされている図です。これ見て虚弱を治そうっと。
 銀座の展示会に出します。他40点。
銀座【ギャラリー悠玄】企画展です。
Art &Craft exhibition 男たちの手仕事展 vol.10
―風景の断片―
2014.10.6 (月)-10.12 (日)
11:00-19:00 (最終日17:00)

2014年10月2日木曜日

[5027] 絵描き

脳が絵描きモードに入ったので、朝からいきなり筆を持ってはペタペタしてます。ワシにとって全てを忘れ無我夢中になれるものみたい。だから全然苦じゃない。
 ところで粘土はと言うとやや苦がある。絵の場合、気が向いた時にペタペタやってりゃいつの間にかできあがるので、絵を途中で何ヶ月も放っといても問題は無い。時間という概念に縛られない。ところが粘土は途中でやめると固まるので、放っとくわけにいかない。時間に縛られているわけっすね。
 そこで考えた。この苦もなくラフにイーゼルの前に立って仕事が進められる絵描きの気分を、そのまま粘土に平行移動すればいいと。
 さっそくやってみたら、粘土作業が絵描き作業の一部分、ちょいと時間の長い一部分として脳も身体も理解したようだ。なるほど、広大な絵描きの中に粘土いじりがあったわけだ。でも絵描きできるアトリエの空間の割合は逆でかなり狭いけど。しかしこれで粘土に苦はなくなった。
 そうか! 心で苦の無い絵描きになっていれば、これからのワシの人生に歩み寄るだろう多くの苦はクリヤーできるってことだ。
 てことで、今日からワシは絵描きです。うん、なかなか前向きの考えだ。

2014年10月1日水曜日

[5026] パスポート

喉のウズラも小さくなり、内から活気が湧いてきているので、絵描きの準備をし、筆を持って一振り。
 この間の瀬戸の個展に絵を出品し、一緒に上海で展示する墨絵画家DTさんに、絵を褒められ、トントン拍子に絵も上海に持ってゆくことが決まった。
 夏頃、上海の話しがあり、絵を持ってゆこうとして絵描きをし、その後、絵はダメになり、立体5点でいきましょうと話しは決まった。面白いことに、この5点という数字が自分のいままでの作品を明確にするきっかけとなった。そして今度は絵も一緒にとなったので、今度はこの立体5点がきっかけとなって絵の構想が湧いてきた。急遽描くわけっす。いい流れですね。
 昼過ぎ、できあがったパスポートを取りにゆく。写真の顔が自分でないような、頭のでかい宇宙人にしか見えない。担当の人がパスポートのICからパソコン上に顔写真やデータを映す。
「本人ですか?」
「違います」と思わず答えてしまった‥‥無視されたけど。