2024年9月15日日曜日

[8559] サイン

 ●サイン
久しぶりに腹の底から笑った。
ワガジンの『サ゜スウォスス オブ キャッツ曼荼羅』
これを買ったお客さんがサインくださいと言う。
この本は文字や模様がみっちりあって堂々とした大きなサインなどできる隙間がない。
「どこにサインするんですか?」
私のサインの全体像は坐禅の形だ(添付)。
『も』が頭部、『り』が胸部、『わ』が臍、『じ』が丹田、そして『ん』が横に広がる脚になる。
『ん』は『もりわじ』の横幅の4倍ほどあり富士山の裾野のように左右に広がる。
全体的にどっしり地面に坐っていてバランスがいい形だ。
私は本の文字や絵が並ぶ隙間にマジックの先を置く。
そのまま文字や絵に触れないように、ひらがなの名前を縦に書き始める。
『もりわじ』まではスムーズに隙間に収まる。
ここから縦の隙間がなくなり横の隙間になる。
最後の『ん』だ。
思っていたより幅はなく、難関だ。
富士山の三角形の裾野にするには狭すぎる。
(どうなるのか?)とお客さんはじっとペン先を凝視していた。
隙間の中で『ん』は横の隙間の上部をうねうね這いながら左に向かい数センチ、
方向転換して隙間の下部をうねうね這いながら『もりわじ』の下を横切り、
右にうねうねいつもの倍は進む。
最後にくると丸く書いて、決まった、ん。
お客さん「えーーー、隙間、埋めただけじゃん!」





0 件のコメント:

コメントを投稿