2014年11月24日月曜日

[5080] 幸森

雪囲い用の材木を小屋の天井裏から降ろしていたら、小さなコウモリが縮こまっていた。手で掴んでも寒さで動きが鈍い。キーキーと威嚇する。ふと思った。
 最近、弱者への苛めや精神的虐殺の報道が多い。一方的な己の感情やこじつけで弱者を逃げ道の無い状況へと追い込むのは間違いだ。目の前にいる弱者こそがあなたを真理へと導く大事な人であり、教師なのだ。自分が変わる事だと思う。『諸行無常』とは外ではなく、己の中にある事を知ってほしい。
 くしゃくしゃの紙を敷いた小さい段ボール箱を猫に狙われないように風の来ない天井裏に取り付け、そっとコウモリを入れた。
 コウモリ君、あとは管理も支配もコントロールもない自然に任せるからね。春まで頑張って生き抜いて、ワシにお礼なんかいらないよ。恩返しとか考えなくていいからね。ワシの事を完全に忘れていいって。とにかくこちらを振り返らずに元気に飛び立ってくれや。それがワシにとって一番嬉しい。

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