2020年2月22日土曜日

[6995] げんかつぎ猫

●げんかつぎ猫
げんかつぎ猫の絵付けをしながら、これを作った動機が何だったかを思い出して見た。
 まずは『おみくじ猫』。これらは観客参加型で100の中からくじを引いて、その番号の猫が守り猫になるというもの。100の短い文章は、招き猫界を一緒に立ち上げてきた坂東さんが原因不明の病気になって病院をたらい回し。仕事は軌道に乗ったばかりで、ここで死んでもらっては困るからと見舞いの言葉を考えていて、つらつらと天から言葉が降りてきた。無事助かった坂東さんがこの100の言葉を読んで一言、「これは『無』を表してますね」だった。ほう、ずいぶん大きなところから僕を観ているんだ! 無が真実なら、無の反対側にある有は仮りの有だ。つまり僕の行いは猫作家だろうが何だろうが仮有なのだ。この仮有の裏に無がないと、仮有という亡霊に飲み込まれてしまう。これは危険だ。いないはずの亡霊に怯え、本当に魂を取られ死んでしまうようなものだ。そこで魂を守ることが必要になってくる。それが100の行為を促す『げんかつぎ猫』なのだと思う。

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