2023年1月16日月曜日

[8053] ノリ

 ●ノリ

 ハラリの『サピエンス全史』に脳が大きかったネアンデルタール人が滅びたとあった。脳が大きいと物事を小さな概念にして脳内に所有する。それが物語作りだろう。そうなると概念でない生の実物を恐れるようになる。それでは生の自然から離れるし生身の自分をも恐れるようになる。それで自ら滅びたのだろう。うまい作り話にノせられてしまったのだ。うまい話には裏があるのにね。

 ハラリは今の人間をホモ・サピエンスとして語っているけど、実は大きな脳の滅びゆくネアンデルタール人になってしまっているかもね。人間のこの足掻きと加速はそんな風に感じられる。足掻いたからって加速したからって実物が手に入るわけでない。うまい話がどんどん誇大妄想になるだけで、それに伴って実物はどんどん遠ざかっていく。じゃあ反対の減速かと言うとそうでもない。減速も加速と同じでネアンデルタール人の作ったうまい話の一つかもしれないからだ。

 さて生身の人間が生きるには呼吸が必要だ。呼吸は吸ったら吐く。人類にも呼吸が必要なのだろう。だからうまい話が『吸う』なら『吐く』が必要だ。『吐く』とは「うまい話にノらない」だと思う。これで社会の荒波など軽くノリ超えられるだろう。ノウの大きい奴より、ノリのいい奴になろう。





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