●木
早朝4時半、薪ストーブに火をつける。
昨夜、灰に埋めておいた火種を掻き出し、木端と薪を二つのせる。煙突のてっぺんにあるファンを回し火種に勢いをつける。冬の間ずっと火が絶えないのは薪のおかげだ。火種も炎も暖かさも源は大きな木だ。庭にある14年の歳月で育った一番太いものでも敵わないもっと長い年月をかけた太い木が薪になる。木は単体であるわけではなく地面や空などの環境と一体化している。動いて餌を探し回る動物でさえ自らが環境と一体化していることを知っているのに、人間はなかなかそのことに気づかない。私はほとんど庭にいる。喩えれば私は庭の木々の中の落ち着きのない一本の木なのだろう。坐禅とは木になることだと思った。そして灯火になる。
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