2025年12月3日水曜日

[9003] 天才

 ●天才
 『早熟の天才』という言葉があるが、早けりゃいいってもんじゃない。焦りすぎ煽りすぎて生煮え。あくせく働く一生より名利が手に入る天才がいいと親は天才教育を促す。モーツァルトみたいに早死にする夭折の天才になってしまうかもしれないのに。
 さて世間の加速に焦る必要はない。『熟成の天才』だってある。僕はモーツァルトが死去した35歳頃、猫と仏像合体の作品を発表し華々しく社会にデビューした。自分の中の無垢な天才が死にそうになってから始まった。でもスッキリしない濁りがあった。無垢が微かに息吹いていたのだろう。その後、60年かかって無垢は濁り諸共味わい熟成した。渋柿が風や日光を浴びて甘柿になるような。それが今回のサトリの部屋だ。これがモーツァルトと変わりない天才の域だと思っている。





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