2020年9月4日金曜日

[7190] クール計画 その4

●クール計画 その4
家においての縁側は実に面白い。
 『わじんのわ』では『縁』が重要な基本テーマになっている。前にも言ったダライラマやアインシュタインが言った『依存』。この言葉をもっと深めた言葉が『縁』だ。これら偉大な哲学宗教や先端科学の根本に『縁』があるのだ。昔の日本ではそれを家に直接盛り込んでいる。家と庭の間にある『縁側』だ。内と外の中間に位置する。縁側は家の中の居間と庭を対等の感覚にする。日本家屋の居間から庭を撮影しても庭から家の中を撮影しても、美しくなるのが縁側の効果だ。縁側は家から飛び出た板のことではあるが、あれだけを抜き取ってみてもただの板だ。縁側とは家と庭の依存関係のこと言う。つまり縁側とはあの板のことではなく双方からの写真に収まる全風景が縁側なのだ。昨今の『分断』に対するアンチが込められている。
 僕の家の設計ではまず池を決めてから居間を作り、そこから家や庭に図面を広げていった。家からフラットに池に伸びたアルミのサニースルー、これが縁側だろうな。
 さてクール計画。家の中を快適にするためには家の外にいらないものを置くのではなく、家の外も中と同様に充実しなければならない。重要なのは中でも外でもなくその境界にある縁側という中道の概念だ。玄関側にある大屋根の下が日中は涼しい。いつも南側のデッキにいるので、玄関側はあまり意識してなかった。まあ道路があるので人や車が来る。裸で暮らしているけど恥ずかしがり屋の僕には人の目が気になる社会的空間だ。そこに『垣』を作ろうかと思う。解放させながら風が通り気配を感じる社会的な縁側になるだろう。北を無視していた自分に反省、これからは北の開発じゃ! 北国に住んでいるだけに、そこ大事!
 エアコンを取り付けるのは簡単で便利だが、文明批判的創造が湧くなら、それを試してからでも遅くはない。やはり便利な文明の利器に頼ると何か大事なものを失うような気がする。たぶん今回のクール計画のような創造を失うのだろう。

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