2015年9月1日火曜日

[5361] 幻想


草刈りしながら思った。
 小説を出版して間もなく、大手出版社や著名人の後押しなどがあれば売れると言われた。それは甘い汁だけど、ワシにはリアリティがない。たぶん国家とか大企業などは巨大な共同幻想であって、ワシ個人の活動と対立しているからだろう。つまりちょいと大袈裟だけど、なにかと囲いたがる権力に対抗して自由自在を目指した内容の小説なのに、権力側に身を売ったら反対に不自由だってこと。国家などの大きな幻想を信じてしまうと人は自分の足元を見なくなる。過去の成功例を追いかけ模倣するようになる。巨大な幻想に取り込まれることが幸福だと錯覚する。危ういね。肥大化する幻想は幻想ゆえいずれ消失する。消失するものに頼る事は自分を失うことだ。満たされることはない。だから空虚でリアリティを感じない。
 では何がリアルなのか? 何が満足なのか? 足元を見よ! それが『もりわじん書店』だった。
 大きな幻想とは無縁に、個人から個人へと小説が手渡される手に入るほどの小さな幻想時空の中でなら、ワシは自分を見失うことはない。
 『もりわじん書店』、今月、伊勢と瀬戸へ向かいます。待っててね!

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