2017年2月23日木曜日

[5902] 焦り

●焦り
 個展会場の風景がイメージできると、そこに配置する絵を焦って描きたくなる。ところが雪掻きやらがあるので、暫く絵描きができない。そうすると焦っていた気持ちが少し落ち着いて、客観的に自分を眺めはじめる。するともっと良い会場イメージが出てきて、絵も前に進む。焦って行動しなくて良かったなぁと思う。
 20代の頃は焦っていたんだなぁとつくづく思う。すぐにもお金にしたいし、すぐにも名を出したい。気が焦っているのでちょっとしたイメージで突っ走る。のんびり描くことなどできない。下手は味だと勘違いする。そのとき持っている僅かな技術や濁った感性だけで一攫千金を狙うようなもので、じっくり勉強し技術を伸ばし感性を磨くことなどしない。悪い芽は伸びるのが早く、焦りは成長し、いかにして儲けるか有名になるかの方法論だけが先行する。簡単な儲け話しが横行するようになり、それに釣られる。『3ヶ月で英語が話せるようになる』なんてのもその一例だ。たまたま能力があったのか、そのような方法論だけで有名になったりお金を得た人は、もちろんその後も自分を磨くことをせず、その虚飾を守ることに必死になり、目立つことだけが作品だと勘違いし、とうとう本当の自分を見失う。
 今、僕は雪のおかげで歩くスピードでじっくり技術と感性を磨いている。
 あ〜、これって『ウサギとカメ』の話だね。

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