●大雨
昨日の大雨。
浄化槽の上が水浸しなので溝を掘る。
人間はこの大雨にびびり心配なのに、
最上川ではカルガモが
流れてくるたくさんの餌を
楽しそうに啄んでいる。
●完全
雷大雨降ったり止んだり。
人は一人一人生まれつき
過不足なく完全な存在だ。
それなのに他と比較して
完全でないと思い込む。
または完全だと自惚れる。
問題は比較だ。
今日は今日で完全。
木々のように
大雨を喜びたいもんだけどね…
●未来図
庭は花畑、薪割り。
人は未来を思い描く。
その未来図は絵空事だ。
時間が川なら
あなたは川の辺りにいるわけではなく
あなたは川と一緒だ。
川は留まることなく流れている。
もはや思い描いた未来はない。
未来図通りにできたとしても
もはやそれはそれではない。
子供が未来図を描いても
その未来に未来図を描いた子供はいない。
年取ったら過去の汚れは落ちにくくなる。
これがあなたの描いた未来だ。
風呂入って垢落とせ。
川は清浄になる。
●朝仕事
坐禅後、普段なら絵描きペリペリをする。
今朝は草をペリペリした。
まだ6時なのに
もう日の当たっているところは
30℃を超えている。
昔早朝、父親が、私がまだ寝ているところにきて
「いつまで寝てんだ! もう朝仕事、終わったぞ」と。
今思う、
朝仕事は1日をスッキリさせる。
なぜなら目的も夢も初めに叶うからだ。
●勿体無い
メガネのテンプルが折れた。
もったいないから直す。
おかげで思わぬものができたりする。
ペリペリなんかは
まさにもったいないからの発見だ。
いらなくなった筆の筆菅を裂いて
テンプルにくっつけた。
意外といい。
(しかし筆管とかテンプルとか初めて聞く名称だ)
●最高
待望のオレンジの睡蓮がやっと咲いた。
さて、今日も薪割り円形薪積み。
「全部最も」ってのが最高だ。
英語に直せばAll(全部)Most(最も)。
これを足せば Almost=もうちょっと。
足りないを満たすのではなく、
少し「足りない」に留まるのが最高なのだ。
日本語では「吾唯足知」だ。
これで円満。
●色
3種目のピンクのハスが咲いた。
色というのは
この場合
ピンク以外を吸収して
ピンクを外に出している。
あなたはあなた以外を吸収して
あなたを外に出している。
あなたの言っていること以外が
あなたの内なのだ。
●やり直し
円形薪棚、やり方間違ってた。
まったく、やり直し。
ネット見てちゃんと調べりゃいいんだけど、
いつだってなんだって自己流してしまう。
だから繰り返しや無駄が多い。
でもだからこそ新発見や発明がある。
昔、油絵も自己流だったから
どこにもない変なの出来た。
でも今はボロボロ。
今の仕事の陶芸も自己流。
*紅紫のムクゲの中に白無垢発見。
●最上川ペンギン
写真は『最上川ペンギン』。一般的な名称はカワウなのだが、潜って魚獲るし、体つきもペンギンが痩せればそっくりなのだ。多分川に住んだペンギンだと思う。
最上川ペンギンが今朝も翼を乾かしていた。この姿がカッコいい。スマホと双眼鏡を組み合わせて写真を撮っているのだがなかなかピントが難しい。乾かしている瞬間は見逃してしまった。
この間、村では最上川ペンギンを大量に撃ち殺した。理由は鮎を食べるから。しかし最近の研究では、バケツでの稚魚の放流が、返って鮎の量を減らしているらしいのだ。放流でなければ別の原因。鮎が減っているのは最上川ペンギンのせいではないかもしれない。自分らで鮎を減らして最上川ペンギンに罪をなすりつけているような。
人間の善意や決め事は時に思っていたのとは逆の効果をもたらす。
関係ない話だけど、ゴルゴ13が毎日笑ったらおかしいだろう。
●旗と風
昨日の田口さんは20年以上前に私の個展に現れた。東大医学部を出て心臓内科医、今は六本木ミッドタウン内の病院の総合医長かなんか偉い方だ。面白い方で買った私の作品は自分で持たず人にあげてしまう。なぜ私の作品を好むのか聞いたら一言「sacred」と答えた。身も心も引き締まる言葉だ。
写真のこの絵も田口さんが買ってくれたもの。ペリペリ初期作品で名古屋の個展(2017年)に展示、画集の裏表紙にしたものだ。タイトル『旗と風』。
禅の公案に『非風非幡』というのがある。小説『自由自在堂』の中でも20ページ程の話にしている。要約すればこんな話だ。
『非風非幡』
幡が風に揺れているのを見た二人の僧が議論を始めた。
A僧「幡が揺れている」
B僧「風が揺れている」
二人は自分の意見をゆずらず、喧々諤々、もはや殴り合いになりそう。
そこに偉い禅僧が通りかかった。
「風が揺れているのではない。幡が揺れているのでもない。お前らの心が揺れているのだ」
●田口さん
預かっていた作品を取りに田口さんがやってきた。
東京の六本木から来たので庭で焚き火でもして
自然を満喫してもらおうと思っていたが、
生憎のクソ暑さ、火はやめた。
涼しい風が入る蔦のパーゴラでスイカを食べた。
川の音が心地いいと言っていた。
●大気圏
彼は雲の上にいるので、もはや夢がない。退屈でつまらない。落ちそうで生きた心地がしない。とにかく幸せと羨ましがられるんだから、幸せなフリしてよう。知ったかぶりしてよう。
彼は地べたで働いている。上にはいろんな凄いものがある。上しかないのでいくらでも上に上れる生きがいがある。とにかく下は大したことないと言われるんだから、幸せでないフリしよう。知らんかぶりしよう。
コンパスで半径10センチの円を描く。これを地球だとすると、この細い鉛筆線が人間が暮らしている大気圏だ。
●時間軸
早朝、薄暗いアトリエ、坐禅の前。
ゆっくり白湯を飲む、呼吸が調う。
Aloneが白湯を飲んでいる。
AloneはAll+one
日本語で『全一』、またはワンネス、全自、悟り。
そして坐禅に入る。
さて時間は過去・現在・未来へ動いていると誰もが思う。
しかし未来が現在にやってきて、現在が過去になる。
時間軸が反対だが真実だ。
だから坐禅したら悟るのではなく坐禅前に悟る。
坐禅をしようとすることが悟りなのだ。
さて晴れたし草刈りAll+one