2021年5月20日木曜日

[7448] 小説

 ●小説

1:去年、カズオ・イシグロの小説『わたしを離さないで』を映画で見て深いところに刺激を受けた。そこで小説を読んでみようと思った。原文は英語だから日本語訳は多少ニュアンスは違うと思うが映画での感動の空気感を保ちながら読んだのでいい感じにその世界に入り込めた。現実の地上の意識からかなり深いところにある精神を語っているような感じだった。権力者の思惑で命を差し出すことを勧める思考は、世界から戦争がなくなった後もこのような妙な形の無慈悲として続くのだろうと思った。科学の発達と同時に分断が激しくなるのは科学そのものがものを分けて考える分析が基本にあるからだろう。救いがあるなら精神の深部には魂があって、どこか羨ましい所と繋がっているのかもしれない、そのようなとても儚いものが確かな真実になるまで探究することだろうと思った。

 訂正:魂は小さいものと思い深部にあるような気がしていたが、深部ではなく我らを包んでいるようだ。魂は物質や思考を包むようなもので、物質へのこだわりや思考からの解放がなされれば雲は溶けて太陽が現れるように魂を感じれる。我らのエゴは四六時中運動しているわけではなく、隙間があって魂がいつも姿を表している。だから魂や霊などの言葉が創造された。ただ魂はもちろん物質ではないし思考でもないので理解できないのだ。コップの陶器の部分が物質で凹みが魂のようなものだ。凹みがあるから我らは渇きを癒せるのだ。


2:翻訳なのだが、この翻訳者には悪いけれど、村上春樹に訳してもらいたいなぁ。彼の文章は読みやすく滑らか、まるでクラシックを聞いているような感じがある。それを聞いた村上春樹、「なんでオレが、オレのノーベル賞をとった奴のを訳さなきゃならないんだよ! アホか!」となるだろうからダメか。

3:日本語の小説で読みやすいのは誰か考えてみた。んー、やっぱりワシの小説『自由自在堂』だね。まぁ自分のだからね。自分のはワールドミュージックを混ぜ込んだグルーブ感満載のノリがいいテクノって感じだと思っている。アーティスト目指している人におすすめ。こんな小説他に類のない稀なもの。でもグルーブ感がない人には読みにくいかも。

 しかし『Never Let Me Go』、あまりに切なく重くとてもいい小説だった。



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