ワシが猫を作り続けているのは、初めて貰ったファンレターに「あなたの猫で命が救われました」みたいなことが書いてあったのだ。まさか自分が人を救うなんてね。しかし反対にそのレターのおかげでワシが救われたようなもんだ。
ところでここ数年、ワシは猫で自分の過去を救っているように思える。最初は『家猫』を設計して建て、大学で建築を学んだ自分を救った。次に小説『自由自在堂』で猫を作る前の青春12年間の自分を救った。三番目に文画集『雨にまけるわけがない』で、若い頃没頭していた絵描きの自分を救った。そして今、おびき出された微かな絵描きの自分がマジに絵を描いている。
さてワシは次に何を救うのだろう?
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