2018年8月20日月曜日

[6445] 楽譜

三部作
 1988年、僕はニューヨークのソーホーのギャラリーで面白い作品に出会った。三部からなる作品で結構感動ものだった。誰の作品かと聞いたらなんと日本人、杉本博司という人だった。三部は『ジオラマ』『劇場』『海景』だった。一番面白いと思ったのはジオラマで、これは僕の見解では杉本氏が博物館で偶然発見した面白みを膨らましたんだと思う。そしてあと二つが生まれたのだろう。この三つあれば隙がないなぁと思った。これは普通にデュシャンと同じで本質を見抜いた作品だと思う。デュシャン以降、杉本博司が出てきたのでアートは個人として極めるべき要素が強くなったと思う。この時点でありがたいことに僕にとっての『1』であるデュシャン的な方向性は消え、『多』方向になった。杉本博司さんに感謝です。
 そこから30年後の今、僕は僕の方向ペリペリを発見した。杉本氏ではないがそのペリペリによる三部作ができたように思う。意識的に三部を作ろうとしたわけではないが、隙をなくすには三は強固なのかもしれない。『漫画のコマ』『楽譜』『絵画(ペタペタ)』の三つだ。自分らしい選択だと思う。
 写真は『楽譜』で、最初は五線譜だけのシンプルなものだったが、自分の部屋の壁に掛けてみて、どうせなら好きな楽曲を入れようと、こうなった。制作に難儀したけど、非常に心地いい音が聞こえてきそうなモダンなペリペリだ。


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