2018年5月25日金曜日

[6358] 最上川

●流動的感性
 僕は猫の家に住み、家に籠っての制作が仕事なので、約九年間ほぼ毎日、最上川を眺めて暮らしている。
 人はオリジナリティなどの定位置を探し出そうとする。作品制作において見つかったと思える定位置は社会の定位置にもなっていて、経済的安定を約束するとともに人々に信頼や安堵を与える。その一方で定位置は流動との間に葛藤を生む。
 プラスマイナスゼロは無常で流動的なもの、それに定位置でもある。だからそこに葛藤は無い。方丈記の冒頭の文のようなものだ。目の前の最上川はずっと定位置の最上川だが、同じ水ではなく流動している。作品制作において、このような感覚を『流動的感性』と名付けた。

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