2026年8月27日木曜日

[9270] ケチ

 ●ケチ
秘宝作品を所蔵する吉野さんから「裸体画を運ぶのに、車一回で間に合いますか?」と連絡がきた。思わず笑ってしまった。裸体画といっても木枠に張った大きな絵ではなく、素描だからペランペランの紙がいっぱいあるだけ。
吉野さんのようなケチでない態度を見ると、こちらもケチでない態度を示したくなり、大盤振る舞いをしたくなる。僕は「目には目を」という言葉を、復讐や悪いことに使うのではなく、こういう善いことに使いたい。
嬉しさには嬉しさ、ありがたさにはありがたさ、施しには施しを。
ケチな人は、いつも「自分は損をしている」「彼らは得している」と思っている。そして、何かしら得をしなければ気持ちが落ち着かない。どんなに儲けても、他人と比べて「自分は損をしている」と思ってしまうからいつまでも報われない。
これは誰にでもあることだ。だから、ケチな人とケチでない人がはっきり分かれているわけではない。金持ちか貧乏かも関係ない。
ケチとは、お金の問題ではなく、心の問題だ。
ケチ臭さが滲み出てしまうと、何をしても「ケチの策略ではないか」と思われてしまう。これは気をつけたほうがいい。
しかしケチでも心配ない。ケチな心の裏には、きっと寛大さがあるはずだ。その寛大さを使えばいい。それを使えるような考え方を学び、それを自然に使えるような生活に移っていけばいい。
飯が食えるだけで幸せ。この世知辛い世の中、笑いがあるだけで得しているようなもの。
そんなおおらかさを根っこに据えるのだ。





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