●病院
内緒だよ。
実は、僕はこれまで、二度、痔の手術をしている。
一回目、30歳、ニューヨークの展覧会が決まり、もしかしてアメリカンのマッチョな男に突っ込まれひどくなったら、血が止まらなくなる。大変だ。これではせっかくの展覧会や初めてのニューヨークが楽しめないと思い、渡米前に原宿の保険のきかない病院で内痔核を手術。肛門には太い血管が3つあり、そのうちの一本を失う。入院一泊、追い出され、そんな~、痛くて歩けないじゃないか!
二回目、44歳の春、千葉住んでいたとき、千葉の病院で手術、残りの血管二本を失う。術三日後、運動してはいけないのに動き回ってしまい、血が吹き出て再手術。結索手術をする羽目になってしまった。(このことは小説『自由自在堂』参照のこと)。入院三週間。
この二度とも、肛門がやばいと感じ病院行ったら、即手術と言われたのだ。今回も、まさか、もう切るべき血管は無いはず。内痔核でないなら、いったい何? それが心配の種だった。
意を決して、朝8時に病院に向かう。外は曇って寒い。車の中も寒く窓は少し曇っている。もしかしたら吹雪にさえ思えた。最近は近所から出たことなかったから相当久しぶりの遠出だ。車で30分かからない隣町病院だけど、気分は真っ暗な闇に落ち込んでいる。
病院にて。
横になって膝を曲げお尻を出す。
「はい口で息を吸ったり吐いたりしてください」
先生の指が肛門に入れられ、診察。
結果は前の手術痕が固まり、柔軟性がなく伸縮ができない状態。裂肛、切れちまったのだ。大事なのはお風呂、良くほぐすこと、辛いのはダメっすね。
ド安心。
外は晴れ。
帰りの車は暖かく、ラジオから流れる曲が、めちゃくちゃいい曲に感じてしまった。太陽がいっぱい、波の穏やかな海に来たような心地よさだ。こもり症の僕が、このまま遠くへドライブしたくなった(軽トラでね)。
あ~、ここちいい朝だ。
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