●非完売作家
作家が「完売しました」って、スイカじゃあるまいし下品だと思わないものなのか。お里が知れるとはこのことだ。いわゆるお里というのは「あー、そこの生まれね」って言うもので、それ以上の奥行きがないのだ。スイカは売れなければ腐るが作品は売れなくても立派な作品だ。気をつけないと代わりにあなたが腐るぞ。
私は非完売作家だ! あまりに売れない年月の後、あまりに売れる日々が続いたが、ある時、なぜかこんな生活がアホらしくなった。そこで売れない作品も山ほど作り始めた。売れない作品だから売れないで普通、間違って売れたら嬉しい。マイナスがないのだ。経済中心の世間から独立したのだ。
そんな私の売れない作品を家に遊びに来た金原瑞人さん(小説家金原ひとみの父親で教授)が買ってくれた。私が「世間に出せない変なものですいません」と言ったら「変じゃない。名作だよ」と言ってくれた。ありがたいお言葉だ。(ネットには出さない)
こんなこともあった。ある時あまりに売れない作品ばかり並んでいる会場に来たお客さんが「もりわじんは終わったね」と小声で言っていた。確かにやっと世間が終わって、そして自然と世間の中間に存在する庭に心身をどっぷり浸けられる瞑想が始まった。
0 件のコメント:
コメントを投稿