●長閑
近所のおばあちゃんが、猫庭を見て「ここに来ると長閑でいいなぁ」と。
猫創作をする数年前、アメリカでの展示会を終えて、これからの方向性に迷っていた。アメリカ流は作家を持ち上げ、チヤホヤ金持ちにするが、根こそぎ利用する。好きな作家がいたが自殺している。作家も何もかも全て経済活動の歯車でしかない。どこかが狂っている。それに便乗した芸術活動もあるが、その誤謬を質すことの方がやり甲斐がある。
そんなときに夏目漱石の『草枕』に出会った。ずいぶん感動した本だ。そこに「芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい」とあった。
そうか! この玄関前でやっと『長閑』を創作できたように思う。
しかし重いもの持って腱鞘炎、歩きすぎて膝をやられ、身体ボロボロだけど。それでもすこぶる心地良い。
写真:片付けた玄関前と長閑を放射する朝日。
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