2018年12月12日水曜日

[6559] 猫人間

猫人間
 猫は『働かない』。
 猫はあるがままにいることで自然の中で充足を得られるが、人間は年がら年中、何かと不満が多く充足などない。そこで猫のように楽するため『働かない』を願う。大金があれば『働かない』ができると人は安易に考えがちだが、うまい話には裏がある。多分そっちの方が難儀しそうな気がする。
 そこで僕は『働かない』くせに優雅で日向ぼっこの上手な猫を観察した。ところで猫らは『働かない』わけではなくそれなりにネズミやモグラなどを捕まえるのに大変だ。しかしその行為は飯を食ったらうんこするように自然の流れのままなのだ。だから働いているという姿に見えない。つまり『働かない』というのは自分では働いているように感じないということだろう。そこで僕は自然と文化の融合生活、働いているんだけど働いていない生活、作品の中に住む生活、猫人間を創造した。夏目漱石という先達がいたことでこの創造がスムーズにいったことは否めない。
 その後ペリペリによってこの猫人間の猫も人間も消え、基本構造の陰と陽の二元が明確になってきた。例えば上や下があって、どちらかにベクトルが向かなければならない。大抵の人は上へのベクトルだろう。それが双方向へのベクトルが消えて、上と下の二元だけが明確になった。かといって静止したわけではなく、ベクトルは上と下の次元ではなく、これまで知らなかった別の高次元に移行したと言える。

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