2019年6月28日金曜日

[6757] sacred

●sacred
写真の方はよく個展に来てくれる人で、職業は心臓のお医者さん。
 妙な人で僕の作品を買ってくれるのだが、お金だけ払って作品は持っていかない。知らないうち大きな作品が5点ほど倉庫に溜まっている。どうするんだろう、これら? 他の人に売ったりして。
 先月、先生から「作品の設置場所ができました」と連絡が入った。聞けば東京の歯医者さんの一室で、サロン的な空間だと言う。そこに作品が展示されるわけだ。これでいろんな人が鑑賞できる。
 そこで昨晩は先生が東京から遺伝子についての会合で東北大に行くというので、途中に山形の僕の家に寄ってもらい、近所の蔵民宿に泊まっていただき、持ってきたワインで乾杯。数年ぶりに語った。
 先生は僕の猫だけでなくペリペリも気に入ってくれている。小説も読んでくれている。なんと、僕以外の作家の美術作品は持っていないと言う。そこで僕の作品のどこが気に入っているのか聞いてみた。そしたら『sacred』というものを感じるって。『神聖』という意味だ。作品の形や情緒的な部分よりさらに微細な感性とか悟性を見てくれていることがとても嬉しい。さすが上皇陛下の侍医をしていた人物、人間の広大な内面を見ていると思った。ワシって、自分で思っているより、結構すごく心美しいヤツなのかもしれない。今回は先生の言葉の向こうにある風景が自分の内的空間にも影響を及ぼし、作家としての自信が芽生え、今後への創作意欲が増した。
 そして今日、ふと自分の最近の半透明の理解不能な妙な制作物の中に医学や科学といった概念があると解った。

0 件のコメント:

コメントを投稿