●超える
そういや昔、猫界のプロデューサーの板東さんに「猫神様を超えるもの」と言われた。ある作品でヒットしたミュージシャンや小説家が次の作品をディレクターに要望されるようなものだ。これを求められた時はずいぶん悩んだものだ。しかし超えるようなものはないのだろう。いわゆる猫神様を最高だと思うことで、これが絶対的な存在になってしまった。人は絶対を欲しがるがこの世に絶対などない。だからこれを超えるものを作ったからと言って、なおもこの要望「それを超えるもの」は続く。満たされることのない我欲というものだろうかね。そのためにずっとヒット曲を考え続けなければならない。それはある種社会の一部と化し、技術は向上し、反復的で機械的な作業になってゆく。終わりのない輪廻にハマってしまったような…
ところができてしまったのだ。
”完全な『わ』”だ!
死ぬまで続くはずだったあの「それを超えるもの」という問いが”完全な『わ』”で消滅した。
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