2021年6月18日金曜日

[7477] 言葉

 ●言葉

 東京時代の友人から昔の話を聞かされたが覚えていない。こういうのを、昔のことだし歳のせい、物忘れとかボケというがその判断は短絡的だと思った。歳をとって物を忘れるのは全体の雰囲気を単純化した概念で囲ってしまおうとしているのだと思う。

 例えば子供の会話は少ないボキャブラリーなのにずいぶんと話が弾んで楽しい。これはその子供らが共通の雰囲気の概念の中にいるからだと思う。たくさん言葉を知ったからといって全てを表現できるわけでない。これから生まれる言葉を含めあらゆる言葉全てから見たら、世にある言葉などほんの僅かだからだ。だからボキャブラリーの多い少ないは問題外で、大事なのは雰囲気を掴む概念だ。概念とは雰囲気とコンビなのだ。

 物忘れとは細部の言葉が大きな雰囲気の概念の中に綺麗に組み込まれ必要なくなったのだろう。最終的には雰囲気を持つたった一言の概念で済むのだろう。例えば『ありがとう』とかだ。



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