2020年4月17日金曜日

[7050] 雅叙園

●雅叙園
SS「今日から雅叙園の展示会だったね」
 そうだ、コロナ事情で雅叙園の展示会が無くなってしまった。もしやっていたら今日が初日だったのだ。
 僕は東京のホテルに宿泊し、夜は近所のタイレストランに行ってグリーンカレーに汗をかき、朝は喫茶店で都会のビルや人を眺めながらコーヒーを飲み、会場では多くの人と出会い、語り、作品の今後の展開などを考察し、目まぐるしく時は過ぎていただろう。
 ところでSSのこの言葉にかなりびっくりしてしまった。というのは僕は雅叙園の展示会はもうとっくに終わっていると思っていたのだ。ところが終わるどころか始まってもいない、今日が初日というではないか! 
 時間がとても遅い。いつもはあっという間に1日が過ぎ、あっという間に1年が過ぎる。
 そうか、これはある意味で良いことだ。誰のためでも自分のためでもなく、未来のために生きていたような。自分の意思で仕事をしていると思っていたが、未来の奴隷だったような。どこかの富豪や政治家に支配されているんだと言う輩もいるが、実は己が描いた未来に支配されていたような。
 もう僕の心からは『あっという間』は消えたようだ。今の僕にはどうせ支配されるなら忙しない社会よりはゆったりした自然のほうがまだ納得がゆく。さて、これからは季節と一緒が中心のスローな日々なんだろうか。とりあえず時間はいくらでもあるようだ。社会や自然と己の仕事についてじっくり考察しようと思う。
 今朝は庭の木々を剪定した。


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