●住職
叔父さんの葬式は伊勢にいて顔出せなかったが、魂はまだこの辺りをうろうろしていると言うので、初七日の今日、寺に出かけ叔父さんの気配を感じてきた。
ところで住職が言う。僕の父親が生前、息子の仏像作品を奉納すると言っていたと。僕は知らんが住職は作品を欲しがっている。長野県の瑠璃寺はちゃんと買ってくれたのに、貰おうとは。僕はそういった贔屓はしないし、だいたい父親は神仏に対しては全く信心深く無い。どうせ何か企んでたのだろう。それに僕は奉納せいと言われてやるような玉でない。そんなことして面白いわけがない。奉納などの良いことした後で、仏の恵みを期待するような今を生きない精神でもない。
タバコプカプカの住職なので、わかったわかったと煙に巻いた。
そうだ! タバコをいっぱい腰に巻いて手にもいっぱい持って、背中にお香焚くところがあって、鼻から煙が出る仏像でも作ってやろうか。
あっ! それとりあえず作っておこう。ワシは頭に浮かんだものはなんでも作って吐き出すタイプ。頭の中の余計なものをペリペリ剥ぐようなものなのだろう。
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