2018年9月28日金曜日

[6484] 無口

●無口
  テントで覆ったアトリエの外にあるデッキ。やや乾いてからコンクリにコテをかけて舐めるように平らにするらしい。土建屋おじいさんは一言も喋らない人でトボトボ歩く。これまでただの一言も聞いたことがない。喋れない人なのだろうか? もう引退してもいいような歳に見える。本当に大丈夫なんだろうかと心配なおじいさんだ。
 夕方作業の人がみんな帰った。今日はこれで終わったかなと思ったら、おじいさん一人、暗くなって戻ってきて、現場に2灯ライトをつけて、頭にもライト、10センチ幅の所を歩いている。コンクリートの上に落ちちゃうんじゃないかと心配でずっと見てた。コテがけをやって夜8時ぐらいに帰った。一安心。
 ワシは風呂入ってワイン飲んでいい気分で外を見てみた。
 なんと! 現場にライトがついている! おじいさん、コテをかけている! 夕飯食って戻ってきたのだ。いつもなら絶対寝ている時間だろう。デッキなどは舐めるように平らにしなくてもいいのに。
 夜の10時、とうとう帰った。
 自分の仕事に責任感があるその姿、ボク感動です。すばらしい! おじいさんは無口。だから自慢もしない。黙々と自分に与えられた仕事をこなす。ワシなどは自慢ばかりして、口数多い。んー、見習おう!
 おじいさん、ボクは大変感動しました。ありがとう。

0 件のコメント:

コメントを投稿