●蓼食う虫も好き好き
碁点温泉展示会での注文作品を受け取りにお客さんが夫婦でやってきた。私より7つ上で五黄のトラ、かなり頑固でパワフルなお婆ちゃん。二つの作品それぞれに「医学部と法学部合格」と書いてほしいと言う。すごい注文だ! 聞けば、お婆ちゃんの目的は名利安定だ。私の父親は私が高校の時に「医者、弁護士、建築家から選べ」と言っていたから、頭はお婆ちゃんと同じだ。で親孝行な僕は建築の道に進んだが、自分に純粋だったため、父親の思いなど蹴散らして、こうなった。まぁ多少の名利があるから父親も文句ないだろう。それだけでなく今度は『サトリ画』だ。父親どころか日本国民や地球人類だって文句の言いようのない作品だ。話は逸れたが、お婆ちゃんの連れの旦那さん、寡黙だが草木や水槽の話をする。自然が好きなようだ。お爺ちゃんは庭を歩き「これは蓼だね」とお婆ちゃんに教える。お婆ちゃんは草などどうでもいい感じだ。ふとお婆ちゃんの医学と法学は『蓼食う虫も好き好き』なんだなぁと思った。名利安定という蓼だ。今はネット社会、子供たちは大人の昔の思い込みなど聞き流し、自分が好きな蓼を食うだろう。
2025年10月21日火曜日
[8960] 蓼食う虫も好き好き
2025年10月20日月曜日
[8959] サトリ画
●サトリ画
サトリ画について。
DMに「猫でも仏像でもなく抽象画でもない」と書いた。加えて具象画でも風景画でも静物画でも人物画でもない。つまり画では無い。
画家はすこぶる自我が強い。たぶん政治家よりも悪人よりも自我が強い。その意思は何も頼らず必要とせずたった一枚の画で世界を我が物にしようとするからだ。画がダメな時は死ぬほど落ち込むし、過去には自死した人も多い。画が良ければ世界を征服したように有頂天になる。だから『画=我』なのだ。そして極めるべきは『画では無い=我では無い』なのだ。一般アート界隈での作らない・本歌取り・盗用・発注・自然に任せるなども全てこのような意識だ。
2025年10月19日日曜日
[8958] お茶タイム
●お茶タイム
社会には『あげる・もらう』がある。
贈与の菓子折りはあげてももらっても嬉しい。
お茶タイムのお供だ。
独り占めはみんなに少しだけあげて支配する。
人はいっぱいもらいたいと力に媚びる。
お茶タイムは悪口が多い。
資本社会ではあげる・もらうを金で解決する。
お茶タイムはつまらない政治経済の話になる。
これらは人間社会の「あげる・もらう」という様々な姿だ。
あげるは与えることで与えられるから満たされる。
しかしこれが当たり前になると不自由になる。
もらうは実は奪うことで奪われるから貧しくなる。
お茶タイムは下らなくて楽しいのがいい。
2025年10月18日土曜日
[8957] 見るもの=見られるもの
●見るもの=見られるもの
昔『古展』と言う個展をやった。昔の古い民芸猫をほぼ似せて粘土いじりした個展だ。やっていて面白いと思ったのは匿名で誰かも知らない昔の作家さんの性格や性質がわかることだった。「あー、ここでこっちに捻るんだ」「ここは押すんだ」とかの行為だが、自分の行為とは少しズレていたり自分がしない行為だったりする。例えば自分の性格はこうだとやや決めているところがあるので、自分との差異としてその作家の性格性質が見えてくるということだ。粘土だけでなく好きな絵とかでも時に模倣する。その匿名ではない作家と自分の性格との差異を発見し、古展と違って今度は自分の本質を理解する。そのうち自分と作品の間に隙間がない見るものが見られるものになる。今回のサトリ作品はそれである。
2025年10月17日金曜日
[8956] ポケット
●ポケット
秋晴れ。
一切皆苦が二元の世界だ。人はなんでも二元のどちらかに思考が迷う偏る。敵味方を作ってイラつく怒る。だから一才皆苦なのだ。右に傾くのは左があるからで、左に傾くのは右があるから。実は左右はコインの表裏と同じだ。コインはポケットに入れて見えなくなれば表だろうが裏だろうがどうでもよくなる。
2025年10月16日木曜日
[8955] 中心
●中心
今回の個展、サトリが中心な訳。
人は政治が中心とか金が中心とか愛が中心とか言う。
それらは台風のように強風や大雨で人々を振り回す。
これらは天動説のように地球が中心と同じ思考だ。
だからますます中心は政治だ、金だ、愛だと騒ぐ。
単に人は無常と無我を熟考せず逃げているだけなのだろうと思う。
台風の中心はいたって静寂。
だから涅槃寂静、これが『サトリを中心に渦巻く世界』ですね。
2025年10月15日水曜日
[8954] もりわじん個展
●もりわじん個展 at もえぎ本店
個展案内です。1ヶ月後です。
今回の個展は生涯最高のものになると思う。
益子の山奥というのが実にいい。
タイトルが『サトリを中心に渦巻く世界』だ。
サトリは静かな山奥で、
そこを中心に都市や外国までが渦巻いているような…
ここに確かな静寂があります。
是非来て静寂を味わってくだされ。
2025年10月14日火曜日
2025年10月13日月曜日
[8952] 失敗→成功
●失敗→成功
失敗だ!
ガクッと項垂れていた。
適当に直しているとき
その途中が実に美しい!
こんな美しさは失敗しなければなかった。
そうそうよく失敗と言うけど
何が失敗なんだろう?
失敗なんてほぼないような…
成功を思い浮かべるから
それ以外が失敗になる。
『災い転じて福となす』
ならば始めから失敗をやれば成功になる。
2025年10月12日日曜日
[8951] 始めよければ
●始めよければ終わりよし
下書きの鉛筆線をカッターナイフで切り込みする。
始めはきちんと下書き線の上なのだが、
切って行くうちに意識がどっかに…
ふと下書き線から微妙にズレる。
ズレを修正しながら終わりまでナイフを進める。
始めと終わりは間違いなく下書き線の上だ。
坐禅の始めから終わりまでの流れと似ている。
人は先ばかり追い求め『初心』を忘れているような。
坐禅が初心である。
坐禅を始めれば人生キチンと終わるだろう。
『始めよければ終わりよし』
2025年10月11日土曜日
[8950] 馬耳東風
●馬耳東風
勘違いしている人には勉強しなさいと言いたくなる
キレイ事言う人には中身が汚れているよと言いたくなる
前世だのと言う人には足元の草むしれと言いたくなる
金金金言う人には目を覚ませと言いたくなる
遠くばかり見ている人にはここで坐禅しなと言いたくなる
バクバク太った人には目的は爆発かと言いたくなる
言いたくなるけど言わない
多分聞こえない
Bob Dylanの「答えは風に吹かれている」って
馬耳東風のことだと思った
2025年10月10日金曜日
[8949] 模倣
●模倣
漫画のコマ割りは昔の誰かの模倣
吹き出しも誰かの模倣
洋服は西洋人の模倣かな
油絵も西洋の模倣
言葉は全て他人の模倣
敬意を示してるからいいんだ模倣
あれがいいこれがいいと模倣する
模倣はいけないと模倣する
オリジナルこそいいという模倣
人工とは全て自然の盗用模倣
遺伝子こそ先祖の模倣
*写真はタイのどこかの私の模倣猫
2025年10月9日木曜日
[8948] 薬
●薬
いつの世もなにかと薬が必要だ。科学的なものは権威的だし民間療法はほぼプラセボでいかがわしさとこじつけが満載の商売だ。どれも生死には無知だ。信じるに値しない。気休めと気晴らしぐらいでいい。なにより得しない坐禅が一番。
そこで薬は自分で作る。とりあえず薬としてこれまで人間ほどの大きさの薬師如来猫を二つ依頼されて制作した。これがなぜ薬なのか?
薬師如来猫は仏像と招き猫の融合だ。ある意味、天上と天下の融合、と同時に天上の仏像は高みから降り、天下庶民の招き猫は低きから登り中道に収まる。二元を超越もしくは二元を無にしたのだ。だから見た目は宗教的だが、実質は『無の創造』。これが薬なのだが、今はイマイチだ。そこで猫と仏像を完全に無にしたのが今制作している『サトリ』だ。これこそ無上の薬だ。
2025年10月8日水曜日
2025年10月7日火曜日
[8946] 素晴らしい
●素晴らしい
人間は素晴らしい。
なぜなら人間は我慢強い。
我欲のまま生きてたらこんな社会なんてすぐ滅びるだろう。
人間は規律正しい。
規律守らなかったら電車も動かないし飛行機も飛ばないだろう。
人間は施ししている。
施しをしなかったら動物も何もかも生きてないだろう。
このように人間は努力しているし精神力あるし知恵もある。
人間はなかなかなものなんだ。
さてワシもガンバンベ。
(六波羅蜜より)