2023年2月28日火曜日

[8096] 気づき

 ●気づき

 人は気づかない。気づきにくい。

 僕の仕事は椅子に座っている時間が長い。寒くなると底冷えがする。そこで神奈川時代はリホームして床暖にした。底冷えがなくなり快適になった。

 山形の家はもちろん床暖にした。しかし疑問があった。これって壊れたらどうするんだろう? それも考えて薪ストーブを取り付けた。

 住んで13年、床暖が壊れた。家を作った工務店や業者さんに来てもらったが、とうとう床暖生活が終わった。壊れた時のことを考えて作るのが昔の家造りだったが、今は捨てる、ある意味アホだね。薪ストーブを付けてほんと良かったよ。

 さて色々と気づくところが多い。仕事場では普通に床に水をこぼしても蒸発していた。それができない。雪かきで濡れた手袋も床に置いとけば、乾いていた。その他にもたくさんの床暖のおかげ効果があったことを知らされた。

 ナイがアルになって喜んで、アルが当たり前になって、アルがナイと寂しくなる。喜びは寂しさだ。1番の気づきがコレだね、全く。






2023年2月27日月曜日

[8095] 花

 ●花

人と喋るとお金の話になる。

戦争の話になる。

政治の話になる。

これらはどれもつまらない話だ。

こんな話で花咲くわけがない。

映画、食、アート、哲学、音楽、文学、科学

趣味や真理探求などの話がいい。

これなら楽しいし笑えるし感心できて

人の花が咲く。






2023年2月26日日曜日

2023年2月25日土曜日

[8093] 依存

 ●依存

依存とは片方だけでは存在しない。

例えば上・下という二元があるが

上も下も相手があって成り立つので

片方だけでは実体はない。





2023年2月24日金曜日

[8092] 展覧会案内

 ●展覧会案内

『ネコマチ商店街』

2023年3/10〜3/20まで

ハンズ名古屋店

 10Fイベントスペースです。

よろしく。

ちなみに昨日の絵日記の

『A:我、B:無我、C:無我の我』

を坐禅で例えてみました。

A:「坐禅なんか意味ない」

B:「意味ないは意味ある」

C:坐禅をする

ってことで坐禅をしています。



2023年2月23日木曜日

[8091] ABC

 ●ABC

大きくなったり

グループに入ったり

金を持ったり

物知りになったり

名が出たり

地位を得たりすると

人は立派なことを言う。

これを「飯足りて調子こいてる」と言う。

A:我(分別心)

B:無我

C:無我の我

人の心はAからB、

BからCへと進歩できる。

しかし全ては無常なので、

Cはそのままではない。

Cも調子こいてAになる。

Aが本来の自分を見失っている自分で、Bがそんな自分がいなくなって、Cが本来の自分ですね。






2023年2月22日水曜日

[8090] いう・やる

 ●いう・やる

言いたいことを言う。

「言わない」のも

一つの「言う」だよ。

やりたいことをやる。

「やらない」のも

一つの「やる」だよ。





2023年2月21日火曜日

[8089] 湧水を汲む

 ●湧水を汲む

 早朝4時。僕は薄暗いアトリエで、坐禅の前にカップ一杯の白湯をゆっくり飲む。体をほぐす体操を20分ほどする。それから両手・両膝・額を床につけて下記の『四弘誓願』を小さな声で言う。

 「衆生無辺誓願度・煩悩無尽誓願断・法門無量誓願学・仏道無上誓願成 」

 意味は簡単に言えば「みんなの苦を取り除き(利他)、自分の迷いを消し去り(自利)、山程の教えを学び、悟りに至ることを誓います」と言うもの。

 僕はこれを「みんなに浄く澄んだ水を飲ませるために、とても静かな山奥の湧水があるところに出かけ、湧水の周りや川を掃除し、水がいつまでも流れ続けるように誓います」と理解する。この四弘誓願を言うと、不思議なことに、一瞬のうちに、幸せな感覚に包まれ善人な自分になる。

 請願のあと、壁を前に坐蒲に半跏趺坐で座り、背筋を伸ばし姿勢を調え、口は閉じ鼻呼吸、臍の下の丹田で呼吸している感じにする。目は閉じず開かず壁を見、視線を少し落とす。

 坐禅に入る。これが心が調っている美しい形なので、これ以上何も求めない、得ようとしない。アートで言うならいい彫像が既にできたのだ。何か考えたりするのは彫像に余計なものが入ってしまい、いい彫像でなくなる。それは坐禅ではない。また考え事が湧いてくるだろうがそれは湧き水ではないので放っとく。そんな考えについて行かない。考えない平常心のラインに留める。まるで呼吸をしてないような穏やかな彫像のままを保つ。40分ほど坐る。

 終わったあと、軽く身体をほぐし、両手・両膝・額を床につけて土・水・火・木。金、立ち上がって東西南北上下全てに手を合わせ感謝する。

 浄く澄んだ水の流れは、日常雑念が多いので夕方までには汚れたりする。

 次の朝、また坐って、山奥の浄く澄んだ湧水を汲む。

 






2023年2月20日月曜日

[8088] 落とし穴

 ●落とし穴

 最近、会う人会う人が量子の二重スリットと言うので、流行りなのかしら? 調べて考察してみた。

 まず人間は物事を観念で理解する。しかしそこには落とし穴がある。感情的になったり思い込みだったりするから誤解してしまうのだ。では感情を排除し概念化し記号化や図式化して数学や科学で理解する。例えば「生」を1、「死」を0とかにする。しかしそこにも落とし穴がある。観念側の意見としては記号でしか生死を理解できないのは無慈悲だ、冷徹だとなる。そんな主観的な感情を無視して、客観的に正確に判断しようとしたのが科学なのだから、今更そこをぶり返したりはできない。

 しかしその科学も量子の二重スリットでの不可解にぶつかっている。

 二つのスリットがあり、そこに一個一個粒子を飛ばす。スリットを通って粒子が向こうの壁に当たれば、二本の線が出るはずなのに、干渉して縞模様が出る。面白いことに人間が観察すると干渉がなくなり、観察しないと干渉が出る。時空間がないとか。不可解な話だ。これってまるで禅の公案にあるような話だと思った。人間は何千年と同じ問答の中にいて全く変わってないんだね。

 さてと僕の考えでは『二つ』がキーだね。二重スリット・粒子と波・観察者と観察されるもの・主観と客観、それに人間の思考は二元論だ。そこで先の落とし穴を智慧で、後の落とし穴を慈悲で覆う。あと科学者は坐禅したらいいと思うな。これで解脱だ。




2023年2月19日日曜日

[8087] in

 ●in

 『個人主義』は英語でindividualismだ。前にも書いたが、もう少し深く考察してみた。

 『個人』はindividualだ。dividualは「分離した」という意味で、これにinがつくことで否定になり、「分離できない」になる。また『自立』はindependent、dependentは「依存」で、それにinがついて否定になる。

 つまり重要な『個人』や『自立』には本来の単語がなく、反対のものの否定系で成り立っている。「分離」や「依存」こそ『個人』や『自立』を否定したもののはずなのに。

 ところで否定の接頭辞にはdisやunなどあるのに、なぜinなのか? inには「中に包まれる」という意味がある。

 坐禅のあの妙な足の組み方が浮かんだ。左の太ももの上に反対の右足を乗せ、右の太ももの上に反対の左足を乗せ包み込む。まさしく否定して包み込むinのポーズだ。

 英語にこんな言葉があること自体が不思議に思ったので、この間アメリカで出家したばかりの慈慶さんに聞いたら「英語の語源のひとつにサンスクリット語がある。仏教の話にちょくちょくサンスクリット語が出てくるんだけれど、ある概念を否定する、さらにそれを否定するみたいなことができる言葉の構造みたい」ということ。面白い!

 ではサンスクリット語ではなぜ『個人』『自立』を「分離」「依存」の否定系で表現するのかを考えてみた。個人をin +dividualとすることで、視覚的にも聴覚的にもそもそものdividual「分離」が含まれる。つまりこれによって『個人』が点としての意味合いではなく、肯定から否定へ流れる陰陽の輪の意味合いになる。

 これだね。すごいな、サンスクリット語って。だったら日本語も『個人主義』というものを『無分別主義』として考え直した方がいいと思う。

 わかったのは、『個人の自立』は世間のあらゆる分離や依存の思考の否定inにあるということだ。






2023年2月18日土曜日

[8086] 酒

 ●酒

早朝の坐禅が1日のメインなので、夜は早く寝る。

始まりよければ終わりよし。

そうなると夜の酒もどんどん控えめになる。

今は食前酒程度になっている。

昔は酒をいくら飲んでも平気な人が羨ましかった。

今は飲めない人が羨ましい、

とはならないけど、

頭と身体が多少変わってきたような気がする。




2023年2月17日金曜日

[8085] 綱渡り

 ●綱渡り

「人生綱渡り」はいい喩えだと思う。

綱渡りというのは

遠くを見て渡るのは危険だ。

まさか後ろを見ては渡れない。

右を肯定し左を否定したら右に落ちる。

左を肯定し右を否定したら左に落ちる。

右を肯定したら右を否定し

左を肯定したら左を否定し

前後左右全てを否定し、

前後左右全てを肯定し

まっすぐ真ん中を進む。





2023年2月16日木曜日

[8084] 浮き沈み

 ●浮き沈み

落ち込むのは浮いていたからだ。

人は浮いたり落ち込んだり。

そう気づいたのが平常心だ。

ほごよ!




2023年2月15日水曜日

[8083] 心と体

 ●心と体

今日は今季最高の雪のような気がする。

朝、ラジオ体操をしながら

玄関のガラス戸を見ると

薪ストーブの炎が映っている。

見ているとなぜか心が温まる。

夕方、外から他所の台所の灯りを見た時と同じ心地よさだ。

本物の薪ストーブの炎にはない感覚だ。

本物は僕の体を温めている。






2023年2月14日火曜日

[8082] ヘタ・バカ・ダメ

 ●ヘタ・バカ・ダメ

 坐禅に興味があるが足が組めないという人が2人いた。そりゃあラッキーだと思った。大体何でもそうだが困難があった方が本物の自分を掴める。例えば歴史的にも絵はヘタな方がこれまでにないような感動的なものを作り出したりする。既成概念や上手とかいう妄想に囚われていないからだろう。

 ヘタ・バカ・ダメこそ困難を乗り越え創造をする。また自分の中のヘタ・バカ・ダメへの思いやりが他人への思いやりにもなる。これで知恵と慈悲が揃う。

 ヘタ・バカ・ダメという地獄だからこそホトケに出会える。ホトケとは最高の己だ。そのホトケの形こそ誰もができる坐禅の形なのだ。嬉しいことに僕が発見した『わ』の形でもあったわけだ。

 足が組めないなんて全然問題でない。正座もあれば椅子だってある。気持ちと工夫次第さ。





2023年2月13日月曜日

[8081] 不苦労

 ●不苦労

フクロウは左右の耳の位置が違う。

耳の窪みも上下にズレているらしい。

これで暗くても獲物の場所を正確に捉えることができる。

本体は中心にある。

だから不苦労(フクロウ)なのかも。




2023年2月12日日曜日

[8080] 偉人

 ●偉人

子供の頃、父親に偉くなれと言われた。

それで偉くなりたい願望があったけど、

いつの間にか

そんな願望がなくなってる。

そうか! 

ずっと偉かったんだ。