玄関先を雪掻きしてたら、道路の方からすごい音がしてきたので見る。空に向かって雪が吹き上げていた。おお! とうとうやって来た。
除雪機がついたトラクターがだんだんとこちらに近づいてきた。運転席のシゲルサが僕を見て微笑んだ。まるで勇者、救世主。僕は親指を立てて合図した。勇者シゲルサは訛りがキツいわけでもボケているわけでもないのに、会話はほとんど何喋っているかわからない。そういうところが勇者たる素質だろうと思う。
勇者の登場とともに、次第に青空が広がっていった。陽が射し眩しく雪を照らした。待ちに待った春が来たような一瞬だった。大自然までもコントロールしてしまう、さすが勇者。
ランクルよりこのトラクターがいいかな。
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