●集団
ハキリアリはキノコ栽培をして暮らす群れだ。
今年5月、多摩動物園のハキリアリの女王が死んだ。集団はそのままいつも通りなのだが、働きアリを産む女王がいないのでアリは増えない。これから徐々に滅びてゆく事になるらしい。
人はいっぱい群れるとなんとか団体になったりなんとか派になったり団体主義や全体主義になる。そういうところでは個人の考えは重要でない。集団は集団を維持するために嘘をつくし人を騙したりもする。個人的な考えを持ってそこから出ようにも出ることが困難になる。そんな集団の考えを自己の中心に置けば、孤高の考えは排除され、大衆向きの思考や固定した概念を己の中心に据える事になる。いわゆる内省や瞑想は遠のきアリのように右倣えや左倣えになって行動するようになる。幅広くいろんな意見を知るのはいいが、内から湧き出る創造のためにも、頭はあらゆる思考から距離を置いてほしいものだとつくづく思う。
なぜか心のとても奥深くで、死んだ女王や残されたハキリアリたちを想う自分がいた。まるで巣から落ちたスズメの雛を数日飼って、元気になったと思っていたのに、前触れもなく死なれた時のような…全ての意味が無意味になったような…この地上に誰もいなくなってしまったような…心のざわめきが消えるこの静けさが妙である。
写真:定位置のトノサマカエルとスイレン8種類目オレンジ系です。それとピニャモと入道雲。
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