●穴
去年、もはや完璧という猫逃亡防止柵を作った。それなのに春になってチョコは何度も庭の外に出る。その度に柵を修繕している。
ここ三日間、逃亡している。どこから出たのか一向にわからない。出る所などない筈なのに。そこで今朝は二人で掃除も朝食もしないで、チョコをそーっと見張り尾行した。1時間後、ついに現場を捕らえた。ここだったのか!
10年以上も出たり塞いだりイタチごっこをしてきた。柵を作るのはこれまでに道路で車に3匹が轢かれているからだ。どんなに完全な柵を作っても思わぬところから外に出る。
常々思うのは人間のやることには『穴』がある。完全無欠(無穴)では無いということだ。チョコは自然体だ。自然体とは『穴』なのだと思う。不完全という『穴』を受け入れている完全体なのだ。人間は不完全を嫌い完全を欲求する。
『穴』は出口であり入口であり逃げ穴であり解放であり、生命誕生の根源でもある。人間が自然体をコントロールするということは『穴』を塞ぐようなものだ。それは無理だ。根源を塞ぐことはできない。人間を創ったのが『穴』だからだ。
もしチョコを出ないように、完全に壁で外を遮断したとする。それでも『穴』はあるだろう。
補足:穴は落とし穴でもある。
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