2024年3月5日火曜日

[8365] 超人

 ●超人

 ニーチェの書に『力への意思』なるものがある。このタイトルから為政者たちは学のあるニーチェが言っているんだから、支配者一番、金一番と権力に向かう。全くの勘違いだと思う。

 ニーチェといえば『ルサンチマン』という言葉。ルサンチマンを調べると『弱者が強者に対して憤り・怨恨・憎悪・非難の感情を持つこと』とある。簡単にいうと『劣等感』だ。これからわかることは『力への意思』を持とうとすること自体が劣等感だ。狭い人間社会だけだと、どうしても一般庶民が弱者で、為政者が強者のように見えるがそうではない。人間全部がルサンチマン弱者なのだ。自分の内面を観ればわかる。強がるのは弱いから、偉ぶるのはつまらん人間だから、欲しがるのは貧しいから、知ったかぶりはバカだから。このように内面に弱者がいて二元構造しているのが人間だ。

 では人間は何に対して劣等感なのか? ところでニーチェは「神は死んだ」と言っているから、強者だと思い込んでいた神はいない。では何が強者? 人間は言葉や科学で自然を支配しようとする。動植物を支配して自然を我が物にしたと思っているが、自然は空気に水に光に重力など自然法則で人間を支配している。自然は巨大で計り知れない強い存在なのだ。人間はこの自然に対してルサンチマンなのだ。

 ここでニーチェが出してきたのが『超人』だ。超人とは空を飛ぶ人ではない、宇宙人でもない、大金持ちでもない。強者弱者、優劣などの二元を超えた人、だから超人。

 まずはその強い存在の自然をよく観れば、あなたがそこから出てきたのだから、あなたがそれなのだと知る。ならば後天的な思考の二元構造の優も劣も好きも嫌いもとりあえず嫌えば好いだけだ。

 そこで坐禅だ。その足もそうだが、手の組み方は両手で輪=和、二元を超えた形、形は智慧だ。




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