人がいると気が散る。父親はあいも変わらずこちらが作品に集中しているところに、邪魔しないからと押してくる。押すものは拒みたくなるが、引くものはまあまあ入ってくだされと受け入れたくなる。父親は押しは強いが引きが弱い。相手しないで、小説書いたから読んでてくれと渡したら、静かにずっと読んでいる。
そろそろ昼メシ時だ。ワシは家でメシ食っている時に人がいるのが好きでない。気になってメシの味が解らないからだ。父親は本を閉じ「次々と読みたくなるな」とワシを見た。いい意味でオマエは息子ではないと言っているような目だった。父親が少し引きを覚えてくれたのかもしれない。僕も少し自立したような気分になった。
引きを身につければ、ある程度の事件は予防できると思うな。
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